トラックからサトウキビを取って食べるゾウ(画像は『UPI 2018年2月19日付「Elephant holds up traffic to steal sugar cane from trucks」』のスクリーンショット)

写真拡大

タイ中部チャチュンサオ県の国道に1頭の巨大な野生のゾウが現れた。このゾウの出没により一帯は2時間にわたり大渋滞となったことを『UPI』など複数のメディアが伝えている。

【この記事の動画を見る】

18日の午後3時ごろ、タイ・バンコクの東に位置するチャチュンサオ県の2車線の国道に、巨大なオスのゾウが現れた。お目当てはトラックに積まれている穫れたてのサトウキビで、ゾウは全くののんびりモード。車体にゆっくりと近づくと長い鼻を巧みに使ってご馳走を口に運び、午後のおやつタイムを楽しんでいた。

騒ぎを聞きつけて野生動物保護団体の職員らが駆けつけたが、まったりと食事を続けるゾウを遠くから見守り交通整理をするのがやっとといった状態で、現場は2時間ほど大渋滞となった。その様子を見ていたアーニー・バーンポーさんは「ゾウはかなりの大きさだったから、あえて近づく者はいなかったよ。車は徐行運転するしかなく、12台のトラックがゾウに足止めされていたかな」と語っている。

カオアンルーナイの山にいる野生ゾウの調査・保護活動をしている「ワイルド・エレファント・ケア(Wild Elephant Care)」の責任者コヴィット・ブーンファヌックさんは「この辺りに棲む野生のゾウはとてもフレンドリーで、人に危害を加えたことは一度もないよ。ゾウは食べ物が欲しいだけさ。この国道をよく利用するトラックの運転手は、その辺をよく心得ているんだ。でも今日のゾウは何台も車を止めてなかなか森に帰ろうとせず、ちょっと変わり者だったね」と述べた。

コヴィットさんによると、ゾウが怒りだしたり、近くに仲間の群れがいたりすると非常に危険なため、ゾウに遭遇した時は以下のルールを守るようお願いしているという。

・一定の距離を置き決して近づかない。
・車のクラクションを鳴らさない。
・ゾウに向かって叫ばない。
・ゾウがやっていることを続けさせ邪魔をしない。

タイではゾウは特別な意味をもつ動物と言われ、住民との関わりの歴史は深い。生息域が減少し、国道にまで出没するようになった野生ゾウではあるが、ストレスを与えず今後もうまく人間と共存できるよう期待したい。

画像は『UPI 2018年2月19日付「Elephant holds up traffic to steal sugar cane from trucks」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)