浦和レッズが注意すべきアル・ヒラルの6選手

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18日夜、ついに今年のAFCチャンピオンズリーグ決勝戦の幕が開ける。

Jリーグ勢として9年ぶりに決勝進出を果たした浦和レッズは、サウジアラビアの「青い三日月」アル・ヒラルとの2試合に挑む。

ラモン・ディアス監督の下、今年に入ってからの公式戦でわずか1敗。しかもアラブ・チャンピオンズリーグのエスペランス・チュニス戦であり、完全にサブメンバーでの試合だった。

そのチームで最も警戒すべき選手は誰なのか?

カルロス・エドゥアルド(FW)

まずはFWから。何と言ってもこのチームで重要な役割を担うのはカルロス・エドゥアルドだ。もともとセンターハーフ的な選手だったが、フランスのニースでトップ下に転向し、得点力を開花させたという珍しい経歴を持つ。現在は2トップの一角で起用されることもあり、FW登録になっている。

派手なテクニックがあるわけではないのだが、ボールを収める技術、両足から放つシュートの正確性とパワー、飛び出しのセンス、フリーキックなど様々な強みを持ち、さらに空中戦にも力がある。

常に前線に張っているような選手ではないが、少しでも隙を見せれば逃してはくれない。世界的なビッグネームではないが、ピッチ上ではそれ以上の怖さを持つ万能アタッカーである。

【次ページ】「中東最高セカンドストライカー」

オーマル・ハリビン(FW)

中東最高のFWがオーマル・アル・スーマーなら、中東最高のシャドーがオーマル・ハリビンだ。シリア代表の2トップは、それだけの実力を持つ男たちだ。

アル・スーマーが代表を辞退していた今年まではエースとして最前線に配されたが、彼はもともとセカンドタイプ。ちょっと下がった位置から連携を作りながら、決定的なパスとゴールを狙っていく選手だ。

そのテクニックとセンスはサウジアラビアリーグでも遺憾なく発揮され、加入以来の16試合で9ゴール。ACLでも12試合で9ゴールだ。

カルロス・エドゥアルドとのコンビは、絶妙な連携で代わる代わるペナルティエリアに侵入し、相手に休む暇を与えない。

自分一人で仕掛けてどうにかするような選手ではないからこそ、質の高い選手が揃うアル・ヒラルでなお生きてくる。

【次ページ】ドリブラーに注意だ!

ナワフ・アル・アビド or サーラム・アル・ドサリ(MF)

アル・アビドは27歳、アル・ドサリは26歳。どちらもアル・ヒラルの下部組織育ちで、まさにその育成の賜物という系統のウインガーだ。

決して体格には優れていないものの、両者ともに加速力とテクニックに優れているドリブラータイプ。切れのある突破で守備を切り裂いてくる選手だ。

左利きのアル・アビドは現在怪我を抱えており、ファーストレグで使えるかは微妙な状況。「もし使えなければサーラム・アル・ドサリが出て来る」という『EREM』の報道がある。

右利きのサーラム・アル・ドサリは、アル・アビドほどの「怖さ」はないものの、機動力と技術は一級品。3バックならトップ下の一角、4バックならウイングに使われるはずだ。

【次ページ】ボランチは読めない…

サルマン・アル・ファラージ or アブドゥルマリーク・アル・ハイブリ(MF)

浦和にとって「めんどくさい」相手になりそうなのが、アル・ヒラルの中盤の守備を締めるボランチのポジションだ。

おそらく一人はウルグアイ人MFのニコラス・ミレシになるだろうが、もう一人がどちらになるのか、今のところは不明。

その理由はアル・ファラージが現在怪我を抱えているため。チームには合流しているが、使えるかどうかはまだ判断されていないようだ。

左利きのアル・ファラージは、まさに「めんどくさい」選手だ。サイドバックからウイング、トップ下までをこなし、常に攻守に関わってくる。前線に出てもいい仕事をしてくる。

アル・ハイブリはどちらかといえば「守備的MF」という役割をこなせる選手で、守備に力を発揮しながら長短のパスを出せる選手だ。彼が出れば、中盤底からゲームを作ってくるだろう。

アル・ファラージかアル・ハイブリか。あるいはこのところリーグ戦の方で重用されているアブドゥラー・アティーフになるかもしれない。

誰が出場するかでアル・ヒラルの戦術も変わってくる。そういう意味でも「めんどくさい」ポイントだ。

【次ページ】守護神は?

アブドゥラー・アル・ムアイウフ(GK)

アルファベットのスペルが一定せず、発音がめんどくさいことで知られる。Al MuaioufだったりAl Mayoufだったりするが、まあそんな感じの発音だ。アル・マユーフにも聞こえるし、ムアイウフにも聞こえる。正解なんてないのだ。ただ、Google検索があるだけ…。

彼はもともとアル・ヒラル出身だったが、トップデビューしたときはあのムハンマド・アル・デアイエの晩年。実際の力以上に評価されていた重鎮の前に出場機会が得られるわけもなく、アル・アハリに移籍したという経験がある。

ただ、そこでも長くサウジアラビア代表GKヤースル・アル・ムサイラムのサブだったため、30歳とはいえそんなに出場経験豊かな選手ではない。

ただ、そんな状況からアル・アハリでポジションを奪い、更に代表まで上り詰めたのだから、実力は高く評価されている。

持ち前の反射神経と脚力を生かしたシュートストップ、勇気ある飛び出しと一対一が魅力だ。ただ、クロス対応やボールの収め方という点では特筆すべきところはない。「乗らせなければ」浦和に突きどころはあるはずだ。