韓国に衝撃「歴史変わった」 FIFA順位アジア5番手後退 地元紙「中国に劣る初の屈辱」

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韓国62位、中国57位で逆転 93年8月のFIFAランク発表以来、初の事態に

 国際サッカー連盟(FIFA)は16日、最新のFIFAランキングを発表した。

 10月上旬に各地でロシア・ワールドカップ(W杯)予選や国際親善試合などの国際Aマッチが組まれたため順位が大きく変動したなか、韓国は51位から62位に後退。FIFAランキングの発表を始めた1993年8月以来、初めて中国を下回る事態を受けて韓国に衝撃が走っている。

 ロシア・ワールドカップ(W杯)出場を決めている韓国代表は10月の2連戦で欧州遠征を敢行し、ロシアに2-4、モロッコに1-3と連敗。過去4年間の成績で計算されるFIFAランキングだが、直近2試合で連敗した韓国は前回の51位から62位に大幅に順位を落とした。一方の中国はW杯出場を逃し、10月は試合がなかったものの、62位から57位へと浮上。FIFAランキングの算出が始まって以来、初めて中国が韓国を上回った。

 韓国紙「スポーツ朝鮮」は、「歴史が変わった。イラン(34位)、オーストラリア(43位)、日本(44位)だけでなく、中国(57位)よりも低い位置である」と卑下している。予想されたシナリオと言及しつつも、「欧州遠征はFIFAランキングを上げる狙いがあった。しかし、二度の惨敗で失敗に終わった」と記している。

 今回のランキングが、12月1日にロシアのモスクワで行われるW杯抽選会のポット分けで用いられるなか、一つでも順位を上げようという韓国の狙いは泡沫のごとく消えた。結果的に順位を落とした韓国は第4ポットが濃厚で、強豪国と同居する可能性が増している。

韓国が32年間無敗、長らく恐韓症の時代も…

 また韓国紙「スポーツソウル」も「FIFAランキングで中国に劣る初の屈辱」と伝えた。「恐韓症という話が出るほど、中国にとって韓国は恐怖の対象だった。しかし、3月のW杯予選で中国に敗れた韓国は、FIFAランキングでも遅れを取っている」と嘆き節だ。

 韓国は1978年に中国と初対戦して以来、32年間無敗を誇り、中国が韓国に長年勝てない状態について「恐韓症」という言葉で呼ばれたほどだった。ところが2010年2月10日の東アジアサッカー選手権で0-3と中国に敗れて記録が途切れると、今年3月のW杯最終予選でも0-1と敗戦の苦渋を味わった。そんな韓国代表の現状に同国メディアは悲観的だが、同記事では「ただし歴代最低順位は免れた。2014年11月の69位より7つ高い」と、わずかばかりの擁護もしている。

 10月の連敗で韓国代表には厳しい視線が注がれていたが、アジア4番手から5番手への転落劇を受けて、逆風は一層強まりそうだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images