はやくも明暗くっきり?今期”夏ドラマ”の意外な勝ち組と負け組

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 渡辺直美(29)主演のドラマ『カンナさーん!』(TBS系)の初回視聴率が、12.0%(ビデオリサーチ調べ・関東地区・以下同)と好調な数字を記録した。本ドラマは雑誌『YOU』(集英社)に連載された同名漫画の実写化作品。渡辺演じる主人公のファッションデザイナーが、子育てや家事に奮闘する姿が描かれている。脇役陣には、イケメンでゲスな夫を要潤(36)、そして姑役を“おばあちゃん役”初挑戦の斉藤由貴(50)が演じている。

『カンナさーん!』が放送されている火曜22時台は、前クールに放送された波瑠(26)主演の『あなたのことはそれほど』や、1月期放送の松たか子(40)主演の『カルテット』、そして昨年10月期放送で新垣結衣主演(29)の『逃げるは恥だが役に立つ』(いずれも同)などヒット作を連発する好調枠。本作も二桁スタートと万全の滑り出しをみせ、さらなる上昇も期待できそうだ。しかしその一方で、「まだまだ高視聴率をキープできる作品かは判断できない」と関係者は語る。

「この作品の初回が数字的に好調だった要因は2つあり、1つはもともと女性視聴者の支持が高かった点。渡辺は女性からの支持も高く、原作も女性向けコミックなので、こうしたファンの心を掴み続ければ、ある程度の数字は望めるでしょう。しかし、それがいつまで持つかが問題で、脚本と演技によってすぐにひっくり返る可能性も。また、2つ目の好調要因として、同局では『カンナさーん!』の前の時間に放送されている『マツコの知らない世界』が高視聴率を続けていることで、この視聴者がそのまま22時台に流れてくることが大きい。そのため初回の印象から、継続して視聴するか否かが別れてくるでしょう」(芸能関係者)

 渡辺にとって真の代表作となるか否かは、もうしばらく様子を見ての判断になりそうだ。

■もはや夏は“月9頼み”のフジテレビ

 一方同じく火曜日放送で、21時台に放送されている窪田正孝(28)主演作『僕たちがやりました』(フジテレビ系)は、苦戦を強いられそうだ。

 こちらも同名漫画を原作とした実写化作品となっている。主演の窪田は、何事も“そこそこ”に生きることを信条とする高校生役を担当。そんな主人公がヤンキー校の不良から暴行を受け、復讐を企てるも大事件に発展するというストーリーだ。こちらも『カンナさーん!』と同日の18日に初回が放送されたが、視聴率は7.9%と伸び悩んでいる。

「原作に忠実だという評価はあるのですが、それゆえにリアルな性的描写や暴力シーンが敬遠されたのでは。ネットでも『21時台で見るには気まずい』というような声があり、好き嫌いが分かれる作品となるでしょう。1話目で離れた視聴者が、裏番組の『マツコの知らない世界』に流れてしまうことも考えられます」(前出・関係者)

 フジテレビでは、山下智久(32)主演の『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が、初回視聴率16.3%という数字を記録している。フジにとって今期は、月9に全力を注いでいるという声もあるようだ。

「とくに月9は存続の危機がかかっているとも言われており、月9ブランドの立て直しを急ぎたいのが本音でしょう。しかし『コード・ブルー』終了後の対策を考えないと、秋ドラマはまた惨敗なんてことになりかねません」(前同)

 20日には、すでに2話目が放送されている真木よう子(34)主演の『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)が、視聴率を落とし4.5%という状態だ。月9頼みがフジテレビの改善策であるならば、今期のみならず来季の作品たちにも大きな影響を与えることになりそうだ。

文・真田栄太郎(さなだ・えいたろう)※1978年神奈川県出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ダークサイドリポート』(ワニマガジン社)、『週刊宝島』(宝島社)、『Hot Dog Press』(講談社)などに寄稿。現在は週刊誌の記者・編集者として事件、芸能取材に奔走する