カブス・上原浩治【写真:Getty Images】

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140キロが154キロに!? 米解説者も感服「上原の球速を測るのは難しい」

 カブス上原浩治投手が12日(日本時間13日)の敵地カージナルス戦で1回を3者凡退に抑える好投を見せた。カブスは3-2で勝利。上原は4戦連続零封で今季5ホールド目をマークした。2奪三振を含む無安打無失点で封じた右腕には、敵地メディアからも称賛の声が上がっている。

 日本人右腕の出番は2点リードの8回に回ってきた。先頭の2番ファムを見逃し三振に仕留めると、敵地セントルイスで試合を中継した「FOXスポーツ・ミッドウェスト」ではその速球に感服する声が相次いだ。現役時代に4度のオールスター出場を誇った解説のジム・エドモンズ氏は上原の速球が秘める、数値に表れない恐ろしさをこう表現した。

「速球を見れば球速87マイル(約140キロ)ですが、投球フォームが素早い。そしてボールを自在に動かします。多くの日本人投手のように高めの速球をすごくうまく活用しています。球速は打席での感覚をそのまま表すものではありません。打者はもっと速いと感じるのでしょう。87マイルは92マイル(約148キロ)のように感じるのではないでしょうか」

上原の速球は「ボールがジャンプするような感覚」

 続く3番カーペンターが2球目の速球を空振りした際に実況が「これは最高の例ですね」と話すと、エドモンド氏は感服するようにこう解説した。

「ボールがジャンプするような感覚です。彼の球速を測るのは難しい。時速92、93マイル(約148、150キロ)くらいから96マイル(約154キロ)に感じさせるのでしょう。素晴らしく滑らかなフォームです。腕もしっかりと伸びています」

 その後、カーペンターをライトフライに打ち取ると、4番ジャーコを見逃し三振に仕留めた上原。18球で3者凡退に仕留め、3-2の勝利につなげた。160キロを超える剛速球が珍しくないメジャーで、上原のこの日の最速は89マイル(約143キロ)。それでも、強豪の主軸を翻弄したピッチングには敵地メディアからも称賛の声が上がった。

 上原は今季16登板のうち14試合で無失点投球を見せ、防御率2.63。5月は4試合で1勝0敗、防御率0.00と安定した投球を続けている。