人間より先に火星へ行き住環境を整えるヒト型ロボット「Valkyrie(ヴァルキリー)」
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宇宙の過酷な環境で人間にできない作業をするためのロボットをNASAは開発中です。中でも二足歩行が可能なヒト型ロボット「R5」(別名:Valkyrie)は、人類による火星移住計画を大きく下支えする重要な役割が与えられる予定です。
Valkyrie | NASA
https://www.nasa.gov/feature/valkyrie
Space Robotics Challenge | NASA
https://www.nasa.gov/directorates/spacetech/centennial_challenges/space_robotics/index.html
NASAが開発する宇宙用ロボット「Valkyrie(ヴァルキリー)」が人間並のバランス感覚を持つ様子は以下のムービーを見れば一発で理解できます。
Meet R5: Valkyrie - YouTube
DARPAが主催するロボットコンテスト「DARPA Robotics Challenge(DRC)」に出場するために2013年にヴァルキリーはNASAのジョンソン宇宙センターで開発されました。DRCの後もヴァルキリーには改良が加えられ、手を改造し足首を再設計してさらに耐久性を高めセンサーをバージョンアップしたヴァルキリーは、NASAの100周年プロジェクトとなる「Space Robotics Challenge(SRC)」の競技用ロボットとしてMITとノースイースタン大学の研究者に提供されました。
SRCに参加するノースイースタン大学の博士課程のマルフィー・ウォンシックさんが、TechCrunchのインタビューを受けて、調整中のヴァルキリーについて以下のムービーで説明しています。
Northeastern puts NASA’s Valkyrie space robots through its paces - YouTube
火星で人間が生活するためには、建物を作ったりエネルギー獲得手段を用意したりと人間の前に火星に乗り込んで住環境を整えるロボットが必要となります。ヴァルキリーは火星の生活環境を整える役割が期待されています。
「宇宙は人間にとって間違いなく過酷な環境です。そのため、宇宙で私たちを助けるロボットは、リスクを下げるために必要な存在になります」と話すウォンシックさん。
現時点では腕がないので32カ所の可動域を持つヴァルキリー。
額にはマルチセンシングカメラを搭載。
また、胴体にも別のカメラが備わっており、別の角度からの映像を組み合わせることで周囲の状況を立体的に認識することができます。
故障した腕はダミーが取り付けられた状態。本来は4本指を持つヴァルキリーの手首はNASAが修理中だとのこと。
宇宙空間での作業を目的とするロボットは自重を支える必要がないため二足歩行能力は必須の条件ではありません。しかし、ヴァルキリーは人間と共に火星での生活が想定されているため、二足歩行が可能なヒト型ロボットになっています。
「ホイールなどで移動する方が技術的に簡単で優位性があるのでは?」という質問に対しては、「研究者によっていろいろな考え方があると思います。ですが、ヴァルキリーは人間のために環境を作ること、また、人間と同じ環境で暮らすことを考えれば、人間の動きをまねできるのが合理的です」とウォンシックさんは答えています。
なお、二足歩行できるヴァルキリーですが、倒れないように体を補助ベルトで上部から支えています。これは、1体200万ドル(約2億2000万円)という高価なヴァルキリーが万一転倒して壊れてしまう危険を避けるためです。
ウォンシックさんは、NASAがノースイースタン大学とMITにヴァルキリーを貸与して研究させることはヴァルキリーの可能性を広げることにつながると考えています。
SRCでは視覚システム、二足歩行能力、狭い場所で動き回る機動性などが競われるため、ウォンシックさんのチームはプログラムをブラッシュアップし続けています。
ウォンシックさんは「個人的な考えですが、家庭で生活を助けるロボットが必要とされていると思います。ロボットによって家庭でも宇宙でもあらゆる可能性を広げられると思います」と述べています。
これは、SRCに挑戦するために作られた障害物。ヴァルキリーは今どこにいて、目的地にたどり着くまでにどのような障害がありどうクリアするのかを理解できるようにプログラムされます。
ヴァルキリーは移動だけでなくテーブルについたり箱から物を取り出したりでき、これらの能力があれば家庭でも宇宙でも適応できるとのこと。コンシューマー向けのロボット開発を目指すのかと聞かれたウォンシックさんは、「まだ初期段階ですが、少なくともその第一歩を目にしています」と答えています。
ヴァルキリーには親しみや人間性を感じると述べるウォンシックさん。「今は私の感情を奇妙に思う人が多いと思いますが、いつか同じような感情を持ってもらえる日が来ると思います」と述べ、そのような感情によって人間とロボットが良い関係を持てると考えているとのこと。
「宇宙でヴァルキリーが活躍するのにあとどれくらいかかるか?」という質問には、数年は必要で、おそらく現在の姿・形とは異なるヴァルキリーになるだろうと答えています。
火星でのミッションを目指すヴァルキリーを使ったロボットコンテストSRCの決勝戦は2017年6月13日から16日に行われ、「通信用のパラボラアンテナの整列」「太陽光発電器具の修復」「建物で発生する空気漏れを見つけて修復」の3つの課題が与えられます。SRCの賞金総額は100万ドル(約1億1000万円)で優勝チームには12万5000ドル(約1400万円)が与えられ、結果発表は2017年6月30日に行われる予定です。
宇宙の過酷な環境で人間にできない作業をするためのロボットをNASAは開発中です。中でも二足歩行が可能なヒト型ロボット「R5」(別名:Valkyrie)は、人類による火星移住計画を大きく下支えする重要な役割が与えられる予定です。
Valkyrie | NASA
https://www.nasa.gov/feature/valkyrie
Space Robotics Challenge | NASA
https://www.nasa.gov/directorates/spacetech/centennial_challenges/space_robotics/index.html
NASAが開発する宇宙用ロボット「Valkyrie(ヴァルキリー)」が人間並のバランス感覚を持つ様子は以下のムービーを見れば一発で理解できます。
DARPAが主催するロボットコンテスト「DARPA Robotics Challenge(DRC)」に出場するために2013年にヴァルキリーはNASAのジョンソン宇宙センターで開発されました。DRCの後もヴァルキリーには改良が加えられ、手を改造し足首を再設計してさらに耐久性を高めセンサーをバージョンアップしたヴァルキリーは、NASAの100周年プロジェクトとなる「Space Robotics Challenge(SRC)」の競技用ロボットとしてMITとノースイースタン大学の研究者に提供されました。
SRCに参加するノースイースタン大学の博士課程のマルフィー・ウォンシックさんが、TechCrunchのインタビューを受けて、調整中のヴァルキリーについて以下のムービーで説明しています。
Northeastern puts NASA’s Valkyrie space robots through its paces - YouTube
火星で人間が生活するためには、建物を作ったりエネルギー獲得手段を用意したりと人間の前に火星に乗り込んで住環境を整えるロボットが必要となります。ヴァルキリーは火星の生活環境を整える役割が期待されています。
「宇宙は人間にとって間違いなく過酷な環境です。そのため、宇宙で私たちを助けるロボットは、リスクを下げるために必要な存在になります」と話すウォンシックさん。
現時点では腕がないので32カ所の可動域を持つヴァルキリー。
額にはマルチセンシングカメラを搭載。
また、胴体にも別のカメラが備わっており、別の角度からの映像を組み合わせることで周囲の状況を立体的に認識することができます。
故障した腕はダミーが取り付けられた状態。本来は4本指を持つヴァルキリーの手首はNASAが修理中だとのこと。
宇宙空間での作業を目的とするロボットは自重を支える必要がないため二足歩行能力は必須の条件ではありません。しかし、ヴァルキリーは人間と共に火星での生活が想定されているため、二足歩行が可能なヒト型ロボットになっています。
「ホイールなどで移動する方が技術的に簡単で優位性があるのでは?」という質問に対しては、「研究者によっていろいろな考え方があると思います。ですが、ヴァルキリーは人間のために環境を作ること、また、人間と同じ環境で暮らすことを考えれば、人間の動きをまねできるのが合理的です」とウォンシックさんは答えています。
なお、二足歩行できるヴァルキリーですが、倒れないように体を補助ベルトで上部から支えています。これは、1体200万ドル(約2億2000万円)という高価なヴァルキリーが万一転倒して壊れてしまう危険を避けるためです。
ウォンシックさんは、NASAがノースイースタン大学とMITにヴァルキリーを貸与して研究させることはヴァルキリーの可能性を広げることにつながると考えています。
SRCでは視覚システム、二足歩行能力、狭い場所で動き回る機動性などが競われるため、ウォンシックさんのチームはプログラムをブラッシュアップし続けています。
ウォンシックさんは「個人的な考えですが、家庭で生活を助けるロボットが必要とされていると思います。ロボットによって家庭でも宇宙でもあらゆる可能性を広げられると思います」と述べています。
これは、SRCに挑戦するために作られた障害物。ヴァルキリーは今どこにいて、目的地にたどり着くまでにどのような障害がありどうクリアするのかを理解できるようにプログラムされます。
ヴァルキリーは移動だけでなくテーブルについたり箱から物を取り出したりでき、これらの能力があれば家庭でも宇宙でも適応できるとのこと。コンシューマー向けのロボット開発を目指すのかと聞かれたウォンシックさんは、「まだ初期段階ですが、少なくともその第一歩を目にしています」と答えています。
ヴァルキリーには親しみや人間性を感じると述べるウォンシックさん。「今は私の感情を奇妙に思う人が多いと思いますが、いつか同じような感情を持ってもらえる日が来ると思います」と述べ、そのような感情によって人間とロボットが良い関係を持てると考えているとのこと。
「宇宙でヴァルキリーが活躍するのにあとどれくらいかかるか?」という質問には、数年は必要で、おそらく現在の姿・形とは異なるヴァルキリーになるだろうと答えています。
火星でのミッションを目指すヴァルキリーを使ったロボットコンテストSRCの決勝戦は2017年6月13日から16日に行われ、「通信用のパラボラアンテナの整列」「太陽光発電器具の修復」「建物で発生する空気漏れを見つけて修復」の3つの課題が与えられます。SRCの賞金総額は100万ドル(約1億1000万円)で優勝チームには12万5000ドル(約1400万円)が与えられ、結果発表は2017年6月30日に行われる予定です。