スマホと携帯電話の断捨離も? モバイルの夜明けが来た「デュアルSIM・デュアルスタンバイ」を使って欲しい理由

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最近のスマートフォンで注目されている機能に、デュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS)があります。
DSDSとは、
「一台のスマートフォンに二枚のSIMカードが利用できる」
かつ、
「二つの電話番号で待ち受けができる」
という機能になります。

二枚のSIMカードの利用ができるデュアルSIM対応のスマートフォンは、以前から一部モデルで提供されていました。
しかし、デュアルSIM端末の多くは、海外では同時待ち受けで使えるものの、日本では一枚ずつしか使えない仕様となっていました。
理由は、
片方のSIMカードでLTE / 3Gを利用すると、もう片方のSIMカードはGSM用になってしまうからです。GSM規格の通信は、日本では非対応なので、実質、日本国内では一枚のSIMしか使えないということになっていました。

これはデュアルSIMスマートフォンが多く使われている中国やインドなどでは、GSMが普及しており、GSMを併用しつつ、LTE / 3Gを利用する仕様が標準的なためです。

これまでのデュアルSIMスマートフォンは、こうした海外仕様のまま日本向けモデルとして販売さえていました。結果的には、日本国内ではSIMカードを同時には使えず、切り替えながら使う、という不便な状況でした。

余談になりますが、筆者は、デュアルSIM・デュアルスタンバイを試してみたくて、香港まで行き、試した経験があります。
この時は、ウィルコム(現Y!モバイル)のスマートフォンHybrid W-ZERO3というトリプルSIM仕様のスマートフォンを持参し、二枚のSIMカードを同時に使う体験を通して、DSDSの便利さを痛感しました。

日本において、利用制限のあったデュアルSIMですが、昨年末より状況が変わってきました。

海外においても、LTE / 3Gの普及が進んだ影響で、デュアルSIMスマートフォンの仕様が変更になったためです。
片方のSIMをLTE / 3Gで使用しても、もう片方を3Gで同時に利用できるようになったのです。この仕様であれば、日本において、二枚のSIMカードを同時に利用することができます。

ところで、デュアルSIM・デュアルスタンバイのスマートフォンにて二枚のSIMカードを挿して、二つの電話番号が同時に使えるメリットとは何でしょうか?

まず、スマートフォンや携帯電話の二台持ちをしていたユーザーは、一台にまとめることができます。二台持ちにストレスを感じていたユーザーには、朗報でしょう。

さらに、格安SIMをアクティブに使ってスマートフォンを活用するユーザーにメリットあります。
格安SIM普及に伴い、SIMカードを複数所有している人も増え、常識になりつつあります。月額の運用費が安価な格安SIMは、複数契約してもそれほど負担にならないためです。

ただし、安価な格安SIMプランは、一ヶ月の高速通信の容量には制限があり、容量を超えると低速になってしまいます。
ところが二枚のSIMが同時に使えれば、一枚のSIMが低速になった場合でも、通信をもう一枚のSIMカードに切り替えて、高速通信を使い続けることができます。

従来のデュアルSIMでは、片方のSIMはオフラインとなってしまい、電話の待ち受けができない不便さがありました。
現在のデュアルSIM・デュアルスタンバイであれば、通信用SIMを切り替えても、通信容量を超えたSIMカードの電話番号で通話も可能となります。
複数の格安SIMを、フルに活用することができます。

また、海外に行った場合には、
「一枚は日本のSIMカードを国際ローミングで使用」
「一枚を海外の現地SIMカードを使う」
という使い方もできます。
日本の電話番号で着信しつつ、現地SIMカードにて割安で通信を利用する、ということが可能になります。

今までは、複数台のスマートフォンを使わなければいけなかった使い方が、デュアルSIM・デュアルスタンバイ対応のスマートフォンであれば、一台に集約することができます。
gooのスマホg07など、デュアルSIM・デュアルスタンバイ機能を搭載しつつ、安価なモデルも登場しつつありますので、是非お試しください。


伊藤浩一