スーパーやコンビニの飲料品売り場では、お茶や果汁飲料、コーヒーに炭酸飲料など、実に多くの種類の商品が陳列されている。そして、お馴染みの定番商品が並ぶ一方、新商品も次から次と出ては消えるのである。そのペースの速さは、中国の業界関係者にとっては驚異的なレベルのようだ。(イメージ写真提供:(C)radub85/123RF)

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 スーパーやコンビニの飲料品売り場では、お茶や果汁飲料、コーヒーに炭酸飲料など、実に多くの種類の商品が陳列されている。そして、お馴染みの定番商品が並ぶ一方、新商品も次から次と出ては消えるのである。そのペースの速さは、中国の業界関係者にとっては驚異的なレベルのようだ。

 中国の食品関連メディア・食品商務網は24日、2016年1-8月に日本で発売された飲料の新製品の数が938種類にのぼったとする記事を掲載した。記事は、16年の夏シーズンに中国の飲料市場で100種類あまりの新製品が発売されたというデータと対比する形で日本の飲料市場の新製品発売ペースを紹介。しかも8カ月間で938種類という数が、15年より170種類も少ないとして「驚くべき数字だ」と評している。

 その一方で、これだけたくさん出される新商品のなかで、大ヒットを起こす商品はほとんどないと指摘。その理由を「新商品をヒットさせるには、周到なマーケティングや宣伝、十分な生産体制、強い営業力が必要だが、それを数多ある新商品1つ1つにかけることは不可能」と論じた。

 そのうえで、全てがヒットするわけでもないのに、どうしてこれだけたくさんの新商品を発売するのかについて説明。新製品の開発は、新しい消費生活を生み出す素となっており、新製品によって消費者の購買意欲をくすぐることが持続的な成長にとって不可欠になっているのであるとした。それゆえ、「基本となる製品の収益を確保すると同時に、新たな製品を絶えず提案し、新製品の開発力を持続的に強化する必要があるのだ」と解説した。

 日本の飲料メーカーは、定番飲料の期間限定フレーバーを出したり、チャレンジングな消費品を開発したりする。それを積極的に試し、味についてネット上で評価する消費者がたくさんいる。評判になれば飛ぶように売れ、イマイチであれば自然に消えていく。その繰り返しなのだ。そこには、新しいモノを試しい消費者のニーズが確かに存在しており、各メーカーの開発チームはそのニーズにこたえるべく、日々努力と試行錯誤を重ねるのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)radub85/123RF)