日本ハム・栗山英樹監督【写真:田口有史】

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開幕から5試合勝ちなしのエース、「翔平も苦しいかもしれないが」

 日本ハムの栗山英樹監督が、1日のロッテ戦(QVCマリン)で先発する大谷翔平投手へ「フォア・ザ・チーム」の投球を強く求めた。

 ここまで大谷は開幕から5試合勝ちなし。防御率2.27と安定しているが、打線の援護点の少なさや救援陣の乱調などで勝ち星なしの状態が続いている。

 チームは借金を完済して4月29日からロッテ3連戦(QVCマリン)に乗り込んだが、2連敗。連敗ストッパーの期待もかかる剛腕へ向け、栗山監督は4月30日の試合後に“お願い”をした。

「翔平も苦しいかもしれないが、やっぱり自分のことを捨てて、チームを何とかするんだという思いで投げて欲しい。こういうチーム状況の時ほど…。ただ、それだけ」

 登板当日の先発投手には、あいさつもしないという栗山監督。ただ、30日の采配で十分メッセージを送ったつもりだ。4点を追う8回2死一塁で代打で使った近藤を、8回守備から2年ぶりに三塁で起用。春季キャンプ中でも近藤の三塁守備練習は見られなかった。敗色濃厚とはいえ、超攻撃的なタクトだった。

前日の試合では浅間の粘りを評価、「何が欲しいかというと、『がむしゃらな姿』」

「我々はチャレンジャー。若いチームなんだから、がむしゃらに勝負しないと何も生まれない。がむしゃらに野球をやるとは、どういうことか。苦しい時、うまくいかない時ほど野球を出来る喜びを感じてやるしかない。こっち(首脳陣)が出来ることは、選手に姿を見せられるようにやるだけ。選手に気付いてもらえるように」

 決死の采配も実らず、試合は1-5で敗れた。その中で評価したのは、この日1軍昇格即スタメンだった浅間の2打席連続三振だ。2回1死二塁ではファーストストライクから3球ファウルで粘ったが、見逃し三振。4回1死二塁でも初球から振っていき、1ボール2ストライクから5球ファウルで粘った。11球目で空振り三振したが、栗山監督の目には好意的に映った。

「何が欲しいかというと、『がむしゃらな姿』。一生懸命なんとかしようとしながらの三振は意味があったと思う。それが次の安打(8回2死で中前安打)につながっている。結果は出した方がいいけど、若いチームでがむしゃらな姿が見られなかったら、野球をやっている意味がない。まずは姿を見せることが大事」

 前回登板で右手のマメを悪化させるなど決して万全とは言えない二刀流。待望の初勝利をかけたマウンドで、栗山監督の熱い思いは届くのか。