ブックオフが家電を売り始めた理由 古本の隣にテレビや掃除機、電子レンジ…

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「♪本を売るならBOOKOFF」のCMで知られる新古書販売チェーン「ブックオフ」に変化が起こり始めた。一部店舗で掃除機やテレビなどの家電が、古本と並んで販売されているのだ。店の前には「家電なんでもお売りください」と書かれたポスターが貼られている。





今年の夏から家電の買取り開始



何店か都内のブックオフに筆者が行ってみると、中古本と同じフロアに家電製品が置かれているお店を発見した。店内では本の横にルンバのようなロボット掃除機とダイソンの扇風機が売られていた。いままでもゲーム機を扱っている店舗はあったが、白物家電まで置いてあると不思議な感じがする。

Twitterに投稿された各地のブックオフの店内画像を見ると、まるで家電量販店のようなレベルで各種製品が揃っているところもあるようだ。液晶テレビや電子レンジ、ミキサー、電気フライヤー、ミシン、エレキギターなど、あらゆるものを扱っていて、何時間店内にいても飽きそうにない。


しかし、なぜ家電を売ることになったのか。ブックオフに問い合わせてみると
「お店の名前の通り、私たちは本を中心にした事業を展開してきましたが、今後は幅広くリユース事業を展開していきたいと考えております。当社の強みである店舗網・認知度・安心して売れるブランドを活かし、店舗の大型化や楽器の取り扱い、今年の夏から買取りを始めている最中でございます」
という回答をもらった。


買い取った商品はキーボードのような大型家電製品は郊外の大型店舗で販売し、掃除機や扇風機などスペースを取らないものは通常の店舗でも今後積極的に販売していく予定という。さらに一部の商品はネットで併売も行っている。ブックオフといえば、本の出張買取で有名だが、家電製品の出張買取の予定について聞いてみると「今のところは予定はございませんが、検討中です」とのことだった。

ブックオフは連結子会社であるB&Hの締結するハードオフとのフランチャイズ加盟契約を、3月31日をもって円満に解約。3億円の違約金をハードオフに支払うことで、競業禁止義務を負わず、ブックオフで独自に家電を扱えるようになった経緯がある。同社の2015年3月期 決算説明会資料では、「『本』のBOOKOFFから『何でもリユース』のBOOKOFFへ」と掲げている。

紙の本のマーケットは今後縮小する可能性がある。そういった将来も見据え、ブックオフは幅広い買取りを進めているのかもしれない。
(やったー麺)