ブルージェイズ・川崎宗則【写真:田口有史】

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トロントの中古車店ラジオCMに起用される川崎、「彼は私たちを笑顔にし、個性がある」

 この男、いまだに全くもって人気の衰えをみせていないようだ。ブルージェイズの本拠地トロントの地元紙トロント・サン(電子版)が2日間にわたって、川崎宗則内野手の人気ぶりを示すエピソードを伝えている。

 4日(日本時間5日)掲載の「トロントではブルージェイズのカワサキはビッグだ」と題された記事では、トロントで中古車店のラジオCMに起用されている川崎を取り上げ、なぜ選ばれたのかを詳細に伝えている。

 記事では、MLB球団のある各都市でどの選手がCMに起用されているかに言及。バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、デビッド・オルティス(ボストン・レッドソックス)、デビッド・ライト(ニューヨーク・メッツ)、CC・サバシア(ニューヨーク・ヤンキース)、ホセ・アルテューベ(ヒューストン・アストロズ)、アンドリュー・マカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)といった名だたる人気選手を列挙すると、こう続けている。

「ではトロントでは誰か? ムネノリ・カワサキだ」

 ブルージェイズにはホセ・バティスタやラッセル・マーティンといったほかの人気選手もいる中、なぜ川崎なのかという疑問への答えとして、2014年からラジオCMで川崎を起用しているトロント市の中古車店「ボブ・バナーマン」のケイティ・シア社長のコメントを紹介している。

「私たちは彼がファンのお気に入りだと知っていました。いつも夫と私が球場に行くと、人々が最も話題に挙げていたのは彼でした。彼は私たちを笑顔にし、大きな個性があり、チームメイトから愛されています」

チームメートは誕生日を祝福、「カワサキが居るだけで何もかもより良く思える」

 また、5日(同6日)には「カワサキがブルージェイズを改“善”する」と題された記事を掲載。「このユーティリティーな内野手が持つ親しみやすい人柄の虜になっているのはファンだけではない」との導入で、チームメイトが川崎の誕生日を祝ったことを報じている。

 川崎の34歳の誕生日である3日(同4日)の試合後、チームミーティングと称してランチルームに集まった同僚たちは、突如として一斉に誕生日ソングを披露したという。

「川崎がどれだけ家族や友人、故郷から離れているのかを痛感しているほかの選手たちは、チーム唯一の日本人であることで彼に孤独を感じてほしくはなかった。水曜日の彼はチームメイトからの贈り物によって晴れやかな顔つきだった」

 記事ではこう報じ、ジョン・ギボンズ監督の「どう説明したらよいか分からないんだが、カワサキがいるだけで何もかもより良く思えるんだ」というコメントも紹介している。

 ファン、そしてチームメートからの絶大な人気。この男がいるだけで、トロントの街、そしてブルージェイズは明るくなる。やはり川崎は愛されているようだ。