「ここは、私立久我伝高校。街も寝静まる午前3時」という書き出しから始まるのは、哲学者・小川仁志さん著『人生が変わる哲学の教室』である。久我伝高校では、14日間連続で「哲学の教室」が行われているという。奇妙なことに夜中の3時から開始されるその授業に集まったのは、それぞれに悩みや問題を抱えた久我伝高校の生徒たちや主婦、サラリーマンの計5人。期待と不安に胸を膨らませた彼らが待つ教室の扉を、ガラガラと開けて登