今年10月のある日、北朝鮮・平安南道(ピョンアンナムド)の順川(スンチョン)の交差点付近にある食堂の立ち並ぶ通りで、60代の女性が亡くなっているのが発見された。通報を受けた安全部(警察署)が身元を確認したところ、亡くなっていたのは、国内随一の製薬工場内の朝鮮労働党委員会の幹部の母親だった。お年寄り、特に自分の親を大切にするのが朝鮮の伝統で、北朝鮮政府も手厚い福祉の対象としていたが、1990年代の経済難以降