トラベルアワードを受賞した坂東玉三郎さん(左)とスターウッドホテル アジア太平洋地区ブランドマネジメント担当副社長のネリー・ヨンさん(右)

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先ごろ、ホテル世界大手のスターウッドは「スターウッド プリファード ゲスト(R) アメリカン・エキスプレス(R)・カード」の発行1周年を記念し、トラベルアワードの授賞式を開催。「世界中で贅沢な旅を」という同カードのコンセプトに合致するタレントとして、歌舞伎役者で人間国宝に認定された坂東玉三郎さんがタレント部門で受賞した。

公演などで海外に行くことも多い坂東さん。ホテルに求めることは? と聞かれると、
「仕事で行きますから、長く滞在できるかどうか。気を使わないで毎日いられることが大事。たとえば(部屋で)トレーナーとストレッチとかしてるんですけど、それでもルームサービスを持ってきてもらえる状態はありがたいですね」
滞在が長期になるため、ステイというより、むしろ自宅に住むのような感覚。それゆえにホテルの人たちとの関係は大切だという。

また、印象に残っているホテルでの思い出として、過去に大阪でお気に入りだったホテルのイタリアンのシェフが亡くなった後、ルームサービスでその味を再現してくれた話や、ワルシャワのホテルでプールが冷たいことを指摘したら翌日温まっていたというエピソードを披露。今プライベートで行きたいのは、趣味のスキンダイビングができる南の島、もしくは静かなベネチアとのこと。

また、同イベントの前半では、ホテルジャーナリストのせきねきょうこさんとトラベルジャーナリストの寺田直子さんが、経営コンサルタントのショーン・マクアードル 川上さんの進行で対談。最近はより自分らしいこだわりのある旅をしたい人が増えていることをうけ、「よりパーソナライズドされた旅」の秘訣を教えてくれた。

――旅をプロデュースするとき、何に重きを置きますか?
「大切なのは、そのときに自分が一番何を求めているかということ。疲れているときにはニューヨークに行くより、リゾートでゆっくりしたほうがいい。まずは、自分が何をしたいのか? そこからですね」(寺田さん)

――自分で自分らしい旅をプロデュースして、一から予約していくというのは結構難しいですよね?
「まあ、でも楽しいですよね(笑)」(寺田さん)
「難しいですし、面倒くさいですけど、そのプロセスも旅の1つとして楽しむってことを考えないと」(せきねさん)

――ホテルを思い出すときポイントになることは?
「やっぱりスタッフです。もう、1にスタッフ、2にスタッフ。もちろんハードやその他によっても演出されますけれど、やっぱりスタッフのホスピタリティや距離感が一番心に残ります」(せきねさん)

ちなみにせきねさんが愛してやまないというホテルの1つが、メキシコのユカタン半島のジャングルの中にあるアシエンダという荘園ホテル(アシエンダウアヤモンなど)。スタッフのホスピタリティはもちろん、立地や造りもすばらしいそうだ。朝起きるとジャングルの爽やかな涼しさがあり、一方で昼間はものすごく暑い。そのギャップもたまらないとか。

――旅の中でのホテルの位置づけは?
「かなり高いですね。最近はホテルに泊まりたいというのが旅の目的の1つになっている方も結構います。みなさん海外旅行に当たり前のようにいくようになって、ものすごく経験を積んでいますし、検索上手といいますか。より自分が好きな、自分らしいスタイルを持ったところはどこか? というのを結構わかっている」(寺田さん)
「最近の潮流として、安かろう悪かろうではないホテルができてきています。お金の掛け方が変わってきた。“ラグジュアリー=豪華さ”ではない。なにが豪華かというのは人によって違う。ひとりひとりが自分の中でこれはすごい! と思うものがラグジュアリーだという感覚です」(せきねさん)

――旅ではネットやSNSを使いますか?
「はい、とくに仕事では大事な旅のツールです。逆にオフのときはノーアイデアで、ちょっと町の中をさまよったり……。迷うことも旅のシズル感だと思っているので」(寺田さん)

最近ではSNSの旅への活用方も多様になっており、たとえば、「今、シャルル・ド・ゴールに着いたんだけど、どこ行けばいい?」とFacebookで発信し、友人から「とりあえず〇〇へ行ってみたら?」などレスをもらったらその通りに動く……なんてスタイルで旅をする人もいるようだ。

――ただ、ネットはランキングなどの情報も多く、逆に迷ってしまうことも。
「トライ&エラーは大事です。それによって旅行者としての経験値があがっていくから。そのためのツールとしてネットは非常に役立ちます」(寺田さん)

結局、自分らしい旅をするには失敗をおそれず、旅の経験値をつんでいくのが、一番早道ということなのだろう。

スターウッドではカード1周年を記念したキャンペーンも実施中とのこと。ちょうど旅行シーズン。この秋はホテルにこだわった旅をしてみては?
(古屋江美子)