何事も一筋縄にはいかない現代が反映された『人生ゲーム獄辛』。

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記者は36歳という年齢を迎えたのですが、周りを見ると人生悲喜こもごもです。独身者(記者含む)がいつつ、同世代にはバツ2もいる。堅実な人生を歩みマイホームを建てた者もいれば、いまだフリーター生活を送るタイプもいる。そんな中、自分の立ち位置はどの辺りなのだろう? 自分で自分を客観視できるほど、私は成長できていません。
……この状況って、もしかしたら絶好時なのかもしれない。何がって「人生ゲーム」で遊ぶタイミングの。

そんな私に、朗報! タカラトミーは9月18日に「人生ゲーム」の新作を発表しました。その名は『人生ゲーム獄辛』(希望小売価格:税抜き3,800円)。

よくわからない人に説明しましょう。『人生ゲーム』の初代ヴァージョンが1968年に登場して以来、今まで「人生ゲーム」のリニューアルは繰り返され続けてきました。ちなみに今回の『人生ゲーム獄辛』は、なんと通算55作目! 前作(54作目)の『人生ゲーム ダイナミックドリーム』は今年4月に発売されているので、わずか5カ月で新作登場という忙しなさ。現代のスピード感が反映されていると言ったら、うがち過ぎでしょうか?

ところで、この「人生ゲーム」シリーズをコレクションしてる人とか、もしかしているのでしょうか?
「コレクターの方は恐らくいらっしゃるとは思うのですが、特に『この人!』と特定することは難しいです……。あっ、乃木坂46の高山一実さんは大の人生ゲーム好きと何度かテレビでおっしゃってくださっているようです。ただ、全作お持ちかどうかは不明です」(担当者)

兎にも角にも、それぞれの「人生ゲーム」はどれもテイストが変わっており、その時の時代性が反映されています。
例えば前作『人生ゲーム ダイナミックドリーム』は盤面のサイズや金額の単位、マス目の内容や職業にいたるまで、全ての規模を豪快にしてある。ケタ違いなお金を動かし、どんどん好転し続けるウハウハな人生を楽しむことができる……そんな内容です。消費税増税で予想された世の中の節約傾向のあえて逆を行ったのだそう。

さて、今回の『人生ゲーム獄辛』は?
「何事も一筋縄にはいかない現代の世相をゲーム内容に盛り込んでいます。ブラック企業や増税、ネット炎上など現代の世知辛い世の中を反映し、昨今の生涯未婚率上昇を受けてゲーム内の未婚率も過去最高に設定するなど、通常の『人生ゲーム』に比べゲームシステムやイベント内容がより辛口なゲーム内容になっています」(担当者)
というわけで、マス目の内容も世知辛い。もう、見てくださいよ。

・「始末書のコピペがバレた」
・「バイト先の新人がすぐ辞めた」
・「有名ブラック企業の内定総なめ!」
・「自作のポエムを親に見られた」
・「特典目当てで買った大量のCDでカラス避けを作成」
・「ラブレターのゴーストライターを頼まれた」
・「寂しいわぁ……深夜帰宅の独りゴハン……」
・「SNS が乗っ取られてブログが炎上」
・「涙がこぼれないように上を向いて歩いたらドブに落ちた」
どれも、ひどいよ!

いや、まだある。世の中を生きる上で避けることができない“心労”や“出費”が多くなるよう、あえて設定されているとのこと。お金を“もらう”マス目より“払う”マス目が多くなっているのだ。

その他、盤面の随所で給料が半額になる「パニックカード」や、いたるところに仕掛けられた「落とし穴」(16カ所)が負の連鎖を生み出すよう設定してある。 「人生ゲームの基本的なターゲットはお子さんとその家族ですが、今回はテーマが“辛口”ということもあり、人生の辛さを身をもって実感している大人もターゲットにしております。家族はもちろんですが、会社の同僚と集まった際や、友人同士など幅広い年齢に楽しんでいただけるように工夫しております」(担当者)
他人の不幸を笑ってたら今度は自分がトラブルに巻き込まれる気の抜けない展開は、まさに現代の世相を反映しているじゃないですか!

現在までに累計1,300万個超を販売しているという超ロングセラー商品「人生ゲーム」。でもここに来て、今作は熟し過ぎです。子どもたちはこのゲームで一度苦酸をなめて、免疫をつけようぜ。
(寺西ジャジューカ)