60代で取得した資格は? 1位は介護ヘルパー

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何歳からを「お年寄り」と呼んでいいかわかりませんが、今のお年寄りは元気です! まだ働きたいモチベーションがあるとしたら、60歳なんかでリタイヤするのは勿体なさ過ぎるというか。
そこで、脚光を浴びるのは「資格」。取得した資格によっては、“第二の人生”がさらに有意義なものとなるかもしれません。

というわけで、このデータを見てみましょう。株式会社ユーキャンは60代で資格を取得した男女497名を対象に「60代の資格取得に関する意識調査」を実施しています。

まず初めは「60代で取得した資格は?」という質問から。

結果、1位は「介護ヘルパー」(11.9%)、2位は「簿記」(9.5%)、3位は「マンション管理士・管理業務主任者」(5.2%)というトップ3になったようです。
では、これを男女別で見てみましょう。すると、男性は1位「簿記」(10.9%)、2位「介護ヘルパー」(9.0%)、そして3位は「マンション管理士・管理業務主任者」(6.1%)という結果に。

一方で女性は1位「介護ヘルパー」(25.6%)、2位「介護福祉士」(9.3%)、3位「ケアマネジャー」(7.0%)といったトップ3になっています。

男女では異なる資格が票を集め、女性は特に介護系の資格を取得する傾向にあるようですね。

続いては「60代で資格を取得した理由」を、それぞれの資格ごとに聞いてみました。

取得した資格で2位・3位となった「簿記」「マンション管理士・管理業務主任者」は、「自分磨きのため」がそれぞれ57.4%、69.2%でトップ。また、「マンション管理士・管理業務主任者」の「ボケ防止・脳の活性化のため」(46.2%)にも票が集まっています。
他と異なる傾向が出たのは「宅建取引主任者(宅建)」で、これは「趣味の一環」(37.5%)の票が顕著に伸びている模様。一方、「介護ヘルパー」は「暮らしの中で役立てるため」(37.3%)、「介護事務」は「仕事に活かすため」(54.5%)が1位となりました。
60代は配偶者や親等の高齢化に伴い、介護が身近な存在にあると考えられます。そのため介護系の資格については「目の前のニーズを満たす」という現実的な理由から取得することが多いようです。一方で60代は退職後の“第二の人生”を歩み始めている世代でもあり、若い世代であれば仕事に直結するような資格であっても、「仕事に活かすため」より「自分磨き」を目的として取得する傾向が目立ちます。

さぁ、ここからが核心部分。「60代で資格を取得して実現したことは?」という設問の登場です。

結果、最も票が集まった回答は「自分のために役立てる」(34.0%)で、次いで「自分の趣味に役立てる」(23.7%)、「現在の仕事に活かす」(23.5%)、「人のために役立てる」(20.9%)という回答が続きます。
自分のために役立てた人に具体的な実現内容を聞くと、「生きがいが見つかった」と答える方が複数いました。また「自信がついた」「充実した時間が得られた」「やればできる」など、満足感に関する回答も多いみたい。「人のために役立てる」回答にはボランティアに関するものが多く、資格取得がボランティア活動など具体的な行動のきっかけにもなっていることがわかりました。

「今後、取得したい資格は?」という設問では、「食生活アドバイザー」と「調理師」が9.9%で同率1位となり、以下「宅建取引主任者(宅建)」(9.3%)と続きます。

一方「60代で取った資格」で1位の「介護ヘルパー」は、ここでは票が集まっていません。“既に取った資格”と“これから取りたい資格”では、傾向が異なるようです。
続けて「今から叶えたい夢はありますか?」という質問、行きましょう。

ここでは“これから取りたい資格”と“今から叶えたい夢”に関連性があることが判明。63.2%の人が「今から叶えたい夢がある」と答えているのです。

では“これから取りたい資格”と“今から叶えたい夢”の関連性、ちょっとまとめてみましょうか。
【食生活アドバイザー】
創作料理(神奈川県・65歳・男性)/自宅でレストランを開く(茨城県・61歳・女性)/
世界のグルメめぐり旅行(福島県・62歳・男性)/料理が上手くなること(大阪府・67歳・男性)
【調理師】
料理人(東京都・63歳・男性)/飲食店の開業(東京都・60歳・男性)
【社会福祉士】
介護施設の設立(茨城県・65歳・男性)/介護関係の事務所を開設したい(兵庫県・67歳・男性)
【行政書士】
資格をとって開業する(埼玉県・68歳・男性)/悩んでいる人の助けになりたい(石川県・67歳・男性)

なるほど、資格取得が夢を叶える手段になっているケースがあるみたい。資格アドバイザーの鈴木秀明氏は、こう語っています。
「伊能忠敬やファーブルはシニア世代になってから多大な功績を残したように、何か新しいことを始めるのに遅すぎるということはまったくないのです」

遅すぎることなんて、まったくない! 綾小路きみまろがブレイクしたのは50歳を超えてからだし、田中久重が「田中製作所」(東芝の前身)を設立したのは75歳の時ですから。
(寺西ジャジューカ)