武藤嘉紀(写真中央)がアギーレJAPANの第1号ゴールを決めた 撮影/岸本勉・PICSPORT

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僕のベネズエラ戦の採点は「50点」。

勝てる試合を引き分けてしまいました。だから厳しく点数を付けておきたいと思います。

ウルグアイ戦に比べると、アギーレ監督がやろうとしていたことは、ややハッキリとしました。攻撃もだいぶスムーズになったと思います。それが得点という形で現れました。

ですが、後ろからのビルドアップにミスが多すぎます。DFやMFのパスの受け方に、まだまだ改善の余地が多いのです。

1失点目はPKですし、2失点目はGKのミスですが、それ以外にパスを何本もカットされてピンチを招いていました。その失敗の繰り返しが失点に結びついたのです。

ここまでだともっと採点は低いのですが、新しい2人が活躍するというプラス材料もありました。

武藤嘉紀のゴールは偶然ではありません。ウルグアイ戦でポストを叩いたシュートは、ボールカットから。動きの中でのプレーが得意なのです。その良さを生かし、ファウルを受けても振り切って迷いなくシュートに行きました。新しい選手のフレッシュなチャレンジは素晴らしかったと思います。

柴崎岳も初出場で90分プレーし、能力の高さを垣間見せました。冷静ですし、視野も広いという特長を出していたと思います。ゴールも、走り込んでボレーという難易度の高い技術を見せてくれたと思います。

この2人の活躍があったから、半分ということにしておきましょう。

ただし、期待するが故にドリブラー・武藤には厳しい指摘もしておきたいと思います。ゴールの後に試合から消えている時間がたくさんありました。それはボールのないところの動きがよくなかったから。

フィニッシュの前のパス交換に絡む動きをもっと身につければ、さらに伸びるはずです。もっとも今はボールを奪われてもいいから、がむしゃらにプレーしていい時期。それはできていると思います。

さて、10月の代表戦でアギーレ監督はここからどこまで積み上げることができるでしょうか。次も厳しく採点したいと思っています。