ドラマ「HERO」(フジテレビ・月曜夜9時)で、主人公・久利生公平の上司である、川尻健三郎部長検事を演じる松重豊。写真はドラマ初主演にして、出世作となった人気深夜ドラマ「孤独のグルメ」のサウンドトラック。「孤独のグルメ Season3」 O.S.T(スクリーントーンズ/地底レコード)

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どうして我々が責任をとらなくてはいけないんだ!
悪いのは宝石盗んだやつだろう!!
他にいないからお前が犯人だってわけにはいかないんだよ!!!
時効になったら「残念でした」って諦めるしかないんだよ、そういうルールなんだから!!!!

7月14日(月)から始まった月9ドラマ「HERO」(フジテレビ)は、2001年に放送され、映画化もされた人気作。映画版から7年後という設定で、型破りな検事・久利生公平(SMAP・木村拓哉)が再び、東京地検城西支部に赴任。相変わらずのマイペースぶりを発揮しながら、新ヒロイン・北川景子らとともに事件解決に奮闘する。

第1話では、傷害罪の被疑者・大西(森山直太朗)の指紋と、15年前の宝石強盗事件の現場に残されていた指紋が一致。時効目前での事件解決か、と大騒ぎになる。しかし、大西は強盗事件への関与を否定し、久利生も決め手に欠けると判断。田村雅史(杉本哲太)や馬場礼子(吉田羊)ら同僚検事陣も、起訴に踏み切れずにいた。

東京地検城西支部の玄関前には、報道陣がぎっしり。
いらだつマスコミに対してどこまでも腰低く、「ノーコメントです」を繰り返していた、川尻健三郎部長検事(松重豊)。「犯人を見逃すつもりですか」「どう責任とるつもりですか」と詰め寄られ、プッツーン。「うるさいんだよ!!!!」と、ぶち切れる。言っちゃった!

「HERO」制作発表の際も、松重豊はこう語っていた。
「部長と言っても、グダグダなクラスメートの中の学級委員?…というより、日直ぐらいの権力しか持っていません。意外と絶叫するシーンが多いので、のどをからしました。のど飴を欠かせない毎日を送っております(笑)」
てっきり自由すぎる部下に腹をたて、久利生を怒鳴りつけるのかと思っていたら、まるで予想外の展開。怒りの矛先がまっとうすぎるほど、まっとうで驚く。

「極上肉でガツンといくか、キモ和えあわびの大御馳走をとるか……いっそのこと両方…いやいや両方くださいなんて言えるわけがない。よし…いや、待て……」(「孤独のグルメ」シーズン4・第3話)なんて、四六時中もにょもにょ悩み続けるゴローちゃんとは、まるで別人である。いや、別人なんですけれども。

7月22日放送の第2話では、ちかん事件を念入りに洗い直す久利生、そして馬場検事に対して、警察からクレームが入る。城西支部はちかん専門になったのかと、ねちねち嫌みを言われても、大人の対応をする川尻部長。ところが、「検事さんの気まぐれにつきあうほど、警察はヒマじゃないんですけどね」というベテラン刑事のセリフにカッチーーーーン。

「検察はヒマだっていうのか! 事件のこと調べて何が悪いんだ!!
捜査が足りずに裁判でひっくり返されたら、あんた責任とんのか!!!
こっちは出前のピザ食いながら、残業してんだー!!!!」
と、またまたぶち切れる。

でも、義憤にかられ、怒鳴りまくった後は、いつもしょんぼり。
「どうしてあんなこと言っちゃった、俺……」と反省する姿もかわいらしい。

さてさて、次は誰を怒鳴りつけてしまうのか。川尻部長のバカヤロー芸から目が離せない。
「HERO」第3話、今夜9時から放送です。
(島影真奈美)