いよいよ買い時到来か?専用OS Android Wearで変わるスマートウォッチ3種の選び方

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グーグルの腕時計型デバイス向けの専用OS「Android Wear」を搭載したスマートウォッチが3メーカーから発売になる。また秋にはAppleからも腕時計型デバイス(iWatch)が登場するという噂もある。

いよいよスマートウォッチも買い時がキタのだろうか? それとも、まだ待ちを続けるべきなのだろうか?

●これまでスマートウォッチとは違う? Android Wear
スマートウォッチはこれまで様々な製品が発売されたが、どれも、今ひとつパッとしてない。早い話、売れていない。しかし今回登場する製品は、グーグルにより新たに開発された腕時計型デバイス専用OSのAndroid Wearが搭載されたスマートウォッチだ。このAndroid Wearとはこれまでのスマートフォン用のAndroid OSとは異なり、腕時計スタイルの製品に特化したものである。そのためAndroid Wearスマートウォッチはグーグルの各種サービスが最も使いやすい製品となりそうだ。

ではAndroid Wareスマートウォッチの特徴についておさらいしておこう。Android Wareを採用したスマートウォッチはどのメーカーの製品でも基本的に同じ機能が利用できる。最もベーシックな機能は通知機能だ。メールやメッセージの着信や今日の予定や天気などがスマートウォッチ画面に自動的に表示される。スマホが出しにくい満員電車や、荷物で手がふさがっているときでも、時計の画面を見るだけでコミュニケーションを図ることができるのである。


表示だけではなく音声でメッセージの返事も送信できる。スマホをポケットから出す必要も無い


またGoogleの音声検索やGoolge Nowの音声コマンドにも対応している。つまり腕時計に話しかけるだけで操作ができるわけだ。
例えば、「おいしいレストランを探して」といった検索や、SNSのメッセージに「じゃぁ明日の4時に会いましょう」といった返事を音声で入力、送信までできる。

このように手で入力が必要なAndroidスマホに比べて、動きながらでも使えるスマートウォッチはスマホより多くの場所で使えるのだ。

これまでスマホとの差別化が難しかったスマートウォッチだが、Android Wareによって、ようやくスマートウォッチでしか出来ない個性を手に入れたといえるだろう。

●3つの個性が違うAndroid Wareスマートウォッチ
そんなAndroid Wareスマートウォッチが、モトローラ、サムスン電子、LGエレクトロニクスの3社から、この夏から次々に発売となるのである。
さて、これらの製品、買い時なのか、もし買うならどれを選べばようのだろうか?

1.大本命のモトローラ「Moto360」

デザインも美しいモトローラのMoto360


丸型のディスプレイを採用したモトローラの「Moto360」は最も腕時計らしいスタイルのスマートウォッチだ。日常生活でも違和感なく毎日利用できるデザイン。ベルトも金属製と革製の2タイプが用意されており、いずれも腕になじみやすそうだ。

また話題となっているのが文字盤部分だ。スマートフォンの待ち受け画面に相当するわけだが、モトローラは世界中でデザインコンテストを実施して多くの美しいデザインが集まっている。これまでのスマートウォッチには無かった「見た目も美しい」表示画面にも期待が高まっている。

レトロ感のある外見ながらも、そこはスマートウォッチなので最新技術の詰め込まれたデバイスとなっている。ワイヤレス充電にも対応しているので、いちいちケーブル接続して充電しなくてもよい。3社の製品は電池の利用時間が1日程度となっているため、充電のしやすさも大きな魅力となっており、あらゆるユーザ層に受け入れられそうな製品と言えるだろう。

発売は8月中とまだ先になるものの、3社のAndroid Wearスマートウォッチの中ではもっとも評判が高い。


2.フィットネス機能搭載のサムスン電子「Samsung Gear Live」

スポーツやアウトドア向けのサムスン電子 Samsung Gear Live


日本でも発売されるサムスン電子の「Samsung Gear Live」は、これまで複数のウェアラブルデバイスを販売してきた同社らしい製品だ。ベルト部分は樹脂製だ。ベルトと本体が一体化された構造のため、腕にはめたときにもっともフィットする。

最大の特徴は心拍センサーの搭載である。
本体の背面にセンサーを搭載しており、簡単に心拍数を計測し、それをAndroidスマホに転送して活用できる。また加速度計も内蔵しているので、移動距離や運動状態も同様に記録し、スマホで活用できる。

最近はフィットネス機能を搭載したウェアラブルデバイスに人気が高まっているが、このGear Liveはスマートウォッチにその機能を内蔵した欲張りな製品というわけだ。樹脂製のベルトもスポーツ中の利用を想定しての採用だろう。


3.シンプルなスマートウォッチ派には「LG G Watch」

シンプルでスタイリッシュな製品にまとめたLGエレクトロニクスの LG G Watch


LGエレクトロニクスの「LG G Watch」はスクエアなデザインで3社の製品の中ではもっともシンプルなスタイルのスマートウォッチだ。
スマートウォッチを使ってみたいけど、見るからにスマートウォッチ風で目立つようなものは腕にはめたくない、そう考えている人には最適な、さりげなくつかえるスマートウォッチなのである。

また、Google Playストアでの販売が3社の製品の中で最も早く、すでに日本からの購入もできる。

機能はMoto360のような画面のカスタマイズや、Samsung Gear Liveほどのフィットネス機能は備えていないが、Android Wareの基本機能である通達機能や音声操作にはもちろん対応だ。またLG G Watchで嬉しいのは、時計バンドは市販の22ミリの腕時計用バンドが利用できること。時計らしい使い勝手も楽しめる。

●使う人のタイプ別Android Wareスマートウォッチの選び方
このように初登場となるAndroid Wareスマートウォッチには、3社3様の特徴がある。
どれを買うべきか? それは自分がどんな使い方をするかを想像してみるとよいだろう。まず
腕時計をそのまま置き換えたい人ならば、外見も腕時計ライクなMoto360が向いている。毎日の充電もワイヤレスで簡単だ。

スポーツをやっている人やアウトドア志向の人にはSamsung Gear Liveがよいだろう。腕に最もフィットし、心拍数をいつでも図れるなど運動時の強力なアシスタントとなってくれる。

「まずはスマートウォッチを始めてみたい」というライトユーザーならLG G Watchがお勧めだ。


●今買うか、まだ待つか スマートウォッチの未来が見えてきた
もちろんAndroid Wareスマートウォッチは現時点で3製品しか製品が発表されていない。
まだ選択肢は広いとは言えないのだ。
だが今後はグーグルがスマートウォッチに本腰を入れたことで、多数のメーカーが市場に参入してくるはずだ
腕時計メーカーやフィットネスメーカーなどの参入もあるだろう。

もしかすると、来年の今頃は10機種以上の製品が登場し、機能やデザインだけではなく重量や装着感、ベルトのフィッティングや交換の可否など、今の腕時計と同じような感覚で製品が選べるようになるかもしれない。

今、だれよりも早くスマートウォッチの世界に飛び込むか、後から飛び込むかは、自分次第。
しかし、今、スマートウォッチは、ようやく大きく華開こうとしているのである。

山根康宏