ATEM Production Switcher事例:オリエンテーリング選手権「10MILA 2014」のライブ放送の場合
Blackmagic Designの発表によると、規模・視聴者数ともにヨーロッパ最大級のオリエンテーリング大会「10MILA 2014」のライブ放送ワークフローに、ATEM 2 M/E Production Studio 4Kが使用されたという。
今年で50周年を迎えた同選手権は、複数人で構成されたチームが昼夜を通してリレー方式で走り、山野に設置されたポイントを定められた順に通過していく競技だ。
主催者であるTiomilakavlen Associationは、制作会社のTVPROに対し、同大会が参加者や観客にとってできる限り素晴らしい体験となるよう依頼。TVPROは、観客がより大会を楽しめるよう、競技場に2台の巨大スクリーンを設置して競技の様子をライブ放送した。また、Swedish Television(SVT)用に2日間のプログラムも制作した。さらにTVPROは、2日間の有料放送用ライブHD配信とは別にモバイルデバイス向けの映像も制作し、同大会の宣伝・中継を行った。競技場からのショットとCGを組み合わせて制作された第3の映像は、無料で配信された。
同プロダクションの基盤となったのが、Blackmagic Designの40×40 Compact Videohubルーター2台で構築されたSDI配信ネットワーク。制作チームは1台目のルーターでカメラからのすべての信号を取り扱い、映像をStudio Control Roomにルーティングする前に、受信したビデオ信号から音声をデエンベッドした。同プロダクションのメインとなるマスター出力は、ATEM 2 M/E Production Studio 4KとATEM 2 M/E Broadcast Panelを使用してミックスした。また、ATEM 1 M/E Production Switcherも1台使用して独立したマスター出力が制作され、その映像は競技場の2台目の56m²LEDスクリーンに映し出された。
TVPROのテクニカル・ディレクター、デヴィッド・トースト氏は次のようにコメントしている。
トースト氏:SDI入力が追加で4系統あることは、ATEM 2 M/E Production Studio 4Kにアップグレードした主な理由のひとつでした。そのおかげで、1台のスイッチャーで合計20系統の入力を取り扱えるんです。また、SDIにタイムコードをエンベッドできる機能や、将来Ultra HDのワークフローに対応できるのも大きな理由です。
もうひとつ画期的だったのは、ATEM 2 M/E Production Studio 4Kの前面パネルにあるタッチパネルキーパッドとスクリーンで、6系統のAux出力ソースをコントロールできる機能です。以前はテクニカル・オペレーション・マネージャーに専用のマトリクス出力を提供する必要がありましたが、現在は1系統のAuxでモニタリングが可能で、必要に応じてプロダクションの最中にAuxを切り替えられます。