ドバイの男性たち。色があせないように専用の洗剤が売っている。

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「ドバイ」と聞いて思い浮かぶキーワード。ゴージャス、金ピカ、砂漠、オイルマネー、近代都市――
どこもかしこもとにかくセレブでリッチ! そんな印象があるドバイ。でも実際にドバイに住んでいる住民たちって、いったいどんな生活をしているのだろうか? スーパーマーケットで晩御飯の買い出しに行ったり、自分で洗濯や掃除をしたりなんてしているドバイ住民なんて、なかなか想像がしにくい。ちょっとは庶民的なところを見てみたい! と思い今回は、ゴージャスななかに垣間見える、やや庶民的で親近感がわくドバイ住民の生活を、衣食住の切り口で調べてみた。

■「衣」:CHANELの民族衣装も! デザインや質にこだわるドバイ住民
◎女性たちの黒く美しい衣装「アバヤ」
地元の女性は「アバヤ」と言われる黒い民族衣装を着ている。イスラム圏では一般的な衣装だが、なかでもドバイの女性たちはデザインや生地へのこだわりが人一倍強いようだ。黒一色に見えて違いがわからないという人もいるだろうが、実は、高級ブランドのCHANELやVERSACE、LOUIS VUITTONなどでデザインされたアバヤだったり、さり気なく持っているバッグはHERMESのバーキンだったりする。

さて、そんな黒く美しいアバヤ、お手入れ方法にもこだわりが! ドバイ住民は、全部クリーニングにお任せしていそう、というイメージもあるのだが……
実は、地元のスーパーにはアバヤ専用の洗濯洗剤が豊富に売られている。しかも、黒色があせない特別な洗剤なんだとか。お値段もお手頃で、普段使いのアバヤの洗濯に使われているそうだ。ドバイでは洗剤をはじめ、一般的に売られている日用品は特段値段が高いということはないようで、物価も標準的だ。

◎男性たちの白く美しい衣装「カンドゥーラ」
一方で地元男性は、「カンドゥーラ」と呼ばれる白い衣装を着ている。白さが印象的で美しいこの衣装、実はウラにこんな努力があるようだ。
白いカンドゥーラは、砂漠の砂ぼこりが影響するためか、着ているとだんたん色がくすんできてしまう。白さを保ちたい地元男性たちは、1日に数回着替えることもあるのだとか。なんとオシャレで清潔なのだろう! 
またお手入れはクリーニングにお願いするという人もいるが、普段使いのカンドゥーラは家庭で洗濯する人もいるそうだ。こちらも女性が着用するアバヤ同様、白さをキープできる専用の洗濯洗剤がお手頃価格で売られている。

■「食」:ラマダン(断色)中でも日没後は、にぎやか!
◎いろいろな食文化が見られるドバイ
実は、ドバイに住む人の約80%は外国人! そのため、イタリアンやフレンチ、インドや中国、和食などのレストランも充実している。一方で、マクドナルドなどのファストフードや低価格のコーヒーショップも多い。東京では連日行列ができるほど人気のポップコーンや、ホットケーキ、ドーナツなどを扱った店も出てきているという。
外国人が多いため、スーパーマーケットに行けば各国の食材を買い求めることができる。醤油やうどん、味の素なども手に入るので、日本食を自炊することも可能だ。

宗教上の理由から、街なかのお店ではお酒の提供はしていないが、その代わりにドバイ住民は、アルコールの代わりにお茶を飲んだり、シーシャ(水タバコ)を楽しんだりするようだ。

◎ラマダン時期のドバイは賑やか
さて、日本人にはなかなか縁のないイスラム教徒の断食月、ラマダン。日の出から日没までは公共の場所で飲食をしてはならないなどと生活に規制がかけられる。ラマダンは年によって時期が少し異なり、2014年のラマダンは6月28日〜7月27日までだ。

ラマダン中はできるだけ謙虚でいなければならないのだが……日没後のドバイは、いつにもなく賑わう。日中食べられなかった分、食べる量もずっと増えるという。どこのマーケットもラマダン中が売り時とも言われるほど。
ちなみに、この時期に観光で行く場合は、なるべく公共の場で飲み食いするのは避けたほうがベターだが、観光客向けホテルではどこかしら1つはレストランが開いているし、スターバックスやマクドナルドなどの日本でもお馴染みの店があるので、安心してほしい。

■「住」:気温50℃のドバイ! 家に活用された暑さ対策のコツ
◎気温50℃を生き抜くためのコツ
ドバイへ出張になった場合は、現地のホテル経営の家具付きやプール付きの豪華マンションに住むことが多いだろう。一般的にイメージされるドバイも、このようなリッチで贅沢な家なのでは。だが、ドバイの住民みんながみんな良い家に住んでいるということではない。

一部のセレブ地区を除き、一般的な居住形態は、ヴィラと呼ばれる一戸建てとアパートとの2パターンがある。どちらも白っぽい外壁が特徴的。というのもドバイは、気温が高い時で50℃近くになることもある。ちなみに温度調節をしていないプールの水温は40℃近くにもなるため、水辺で生まれて夏場悩まされるやっかいな「蚊」はドバイでは存在しない。
そうした「蚊」も住めないほどの暑さを少しでも反射させるため、白い外壁が使用されるのだ。また、日本人は南向きを好むが、ドバイでは北向きの部屋がオススメ。北向きの部屋のほうが少しでも日差しを避けることができるからだ。

さて、衣食住の観点からドバイを見てきたが、ドバイ住民も「誰もが超セレブ」というわけではないようで少し安心。外国人が多いので、外国人向けサービスも整っているとのこと。清潔で、ごはんもおいしくて、家賃も手ごろで物価も標準的となれば……、引っ越し先候補にドバイを入れて検討してみてもいいかも!?

(グラノラ長澤)