米ぬか成分を、靴下の糸に練り込んだ。

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日本の主食である、お米。でも、白米にするだけじゃないですよね。今や、さまざまな活用法があります。例えば、お米でパンが作れたり。「米粉パン」と呼ばれる、アレです。

それだけじゃない。玄米を精白するときに出る外皮や胚の粉、いわゆる「米ぬか」を生かした靴下が話題となっています。「鈴木靴下」が開発したのは、その名も『歩くぬか袋』!
「家が農家だったんですが、白米を作るときに出る米ぬかは捨てていました。そして米ぬかを含んだ“ぬか袋”をモップの代わりにし、小学校では雑巾がけをしていたのを覚えています」
お答えいただいたのは、同社の鈴木代表。幼き頃の思い出が、今回の商品開発に生かされた。

実は米ぬかには、壮大な歴史がある。例えば昔の銭湯では“ぬか袋”で洗顔したり、体を洗ったり、いわば“日本で最初のスキンケア商品”として活用されていた過去があるのだそう。また横綱の「綱」は、米ぬかとともにもみ込むことで柔らかくなりツヤが出される、という事実もある。この米ぬか成分(米ぬかエキス、γ-オリザノール、フェルラ酸など)を、靴下の糸自体に練り込んでみせたのだ。
そして、靴下の部分には、美肌オイルを配合した“米ぬかシリコン”を施している。結果、美肌成分を元から持つ靴下が完成!
「米ぬかのシリコンで密着することで蒸散を抑え、潤ったかかとをオイルで包み込む。『化粧水でしっとりして、乳液でフタをする』というイメージだとお考えください」(鈴木代表)

イメージだけでなく、身をもって体験してみたい。というわけで実際に靴下を取り寄せ、履いてみようと思います!
はい、現物が届きましたよ。見た目は、普通に靴下でした。何の変哲もなさそうだな……と思いきや、かかと部分の素材には固さがあり、わずかながら冷んやりする。これが、うわさの“米ぬかシリコン”だな?
では一日、この靴下を履いて生活してみます!

はい、お疲れさまです。一日が、終わろうとしています。じゃあ、脱ぎますよ!
……なるほど、心なしかパックを施したかのような感覚が足にある。単に「蒸れてる」といった様子ではなく、いわゆる保湿後の心地良さというか。“米ぬかオイル”のラップ作用で、お肌しっとり、ツルツルになりました。
「リピート率も高く、購入3日後に再注文してくれた方もいらっしゃいました」(鈴木代表)

そんな『歩くぬか袋』の価格は、800〜1,200円(税別)。同社サイトやAmazonなどで購入できます。

「鍋に靴下とぬかを煮込んでから、この4月でちょうど10年を迎えました。開発に数千万円を要した自信作です!」(鈴木代表)
靴下着用後、指でかかとをこすると角質がポロポロ取れる人もいるらしい。まさに、米のパワーです!
(寺西ジャジューカ)