『ハムケツ どうしてそんなにカワイイの!』manic (編)/バジリコ

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仕事でヘトヘトになって家路につく。疲れて疲れてどうしようもない時、いつからか「ハムケツ」というキーワードで画像検索するようになった。
検索すると、出てくる出てくる。数々のぽってりとした愛らしいフォルムでスマートフォンの画面はいっぱいになる。

すでにご存じの方も多いかもしれないが、「ハムケツ」とは「ハムスターのお尻」のことである。今、インターネット上ではこの「ハムケツ」が大人気だ。
もふもふとしたまん丸のお尻に、ちょこんと小さなシッポがくっついている。
はぁ〜、かわいいっ! かわいいという形容詞はハムケツのために作られたのではないかと思うほどだ。

寝ても覚めてもハムケツのことばかり思い、仕事の忙しさと食べ過ぎで顔がハムケツのようにぽってりとしてきた頃、本屋で見つけたのがバジリコ株式会社より発売されている『ハムケツ どうしてそんなにカワイイの!』だ。
本書を見つけた瞬間に、表面上は冷静を装いながらも、心の中では「キターッ!」と盛大にガッツポーズをしたのは言うまでもない。

これからはインターネット画面を立ち上げなくても、手軽にハムケツを見られるのかと小躍りしつつ、早速、本書の企画編集を担当された二本木さんへ、出版の経緯について伺った。
「初めてハムケツを見たとき、あまりのかわいさに自然に顔がほころんで『誰かに知らせたい!』と思ったのがきっかけです。ハムスターの顔がかわいいのは誰もが知るところですが、お尻がこんなにもかわいく、いろいろな表情を持っていることはあまり知られていないのでは、と。もともとSNSでは話題になっていたハムケツですが、それに特化した写真集を出版することで、ネットをあまり利用しないもっと多くの方にこの魅力と面白さを伝えられると思いました」

やはりそうですか。ハムケツを見ると、近くにいる人に「これかわいい!」とデレデレしながら知らせたくなってしまうのは、ハムケツ好きの性なのだろうか。
しかし、タイトルの『どうしてそんなにカワイイの!』という言葉から、ハムケツにもん絶する姿が目に浮かぶよう……。きっと二本木さんも相当にハムスターがお好きなのだろう。
本書では、一般的に認知度の高いジャンガリアンハムスターはもちろん、さまざまな種類のハムスターが掲載されており、毛足の長いものや、体がほっそりしているもの、一段とでっぷりしているものまで、「こんなにたくさんの種類がいるのか!」と驚くほどだ。
個人的には本書の表紙を飾っている、キンクマハムスターがとても愛らしいと思うのだが、二本木さんの好みはいかがだろう。
「毛並だったりトータルでかわいいと思うのはキンクマハムスター。お尻のもふもふっぷりがたまらないのはゴールデンハムスター。でも、哀愁たっぷりなクロクマハムスターのハムケツも実は気に入ってます」。

ハムケツと一言で言っても、種類によりさまざまで、個々のハムスターによってもまた違いがあるのだろう。
1人で楽しむのも良し、数人で本書を囲んでどのハムケツが好きかを討論するも良し、本書はきっと手に取った人を笑顔にするだろう。

なお、バジリコ株式会社Facebook上にて、「ハムケツ写真コンテスト」を開催しているので、ぜひご覧あれ。
二本木さんいわく、「コンテストには海外からの投稿も届いています。海外のネットニュースでも紹介され、どうやらハムケツ人気は海を渡ったみたいです」とのこと。
「うちのハムスターのハムケツこそ世界一!」とお思いの方はぜひ投稿してみてはいかがだろうか。
(薄井恭子/boox)