COMECOCON「バターモチ」1個230円(税抜)

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「バターモチ」と聞いて聞き覚えがある人は、おそらく秋田県民? もしくはかなりのハワイ通なのでは?

数カ月前に取材で秋田を訪れたとき、「バター餅」なるものに出会った。ついた餅にバターや卵黄、砂糖などを練り込んだ北秋田市の郷土料理だ。少し黄味を帯びた餅は、ほんのりバターの香りがして、やさしい甘さ。もっちりやわらかな食感に驚いた。バターを入れることで時間がたってもやわらかい食感が保たれているという。昔からこの地方で食べられていたものだが、テレビ番組でフィーチャーされたことをきっかけに人気が再燃。いまでは地元の名物になっているそうだ。

秋田のバター餅を食べてしばらく後、今度はハワイにも「バターモチ」というものがあることを知った。アジア系移民が考案したといわれるが、秋田のバター餅とは見た目もレシピも違うため、直接的な関係はないだろうといわれている。ハワイでは昔から親しまれたママの味だが、家庭で手作りするのが基本なので、旅行者などにはあまり知られていないかも? 秋田のバター餅は、ついてある餅に材料を練り込むのだが、ハワイのバターモチは餅粉にバターや卵、砂糖、ココナッツミルク、練乳などを加えてオーブンで焼き上げる。

そんなハワイのバターモチをベースにした、新感覚スイーツが今度は東京から発信される。古代米ブランドCOMECOCON(コメココン)の「バターモチ」だ。餅粉のかわりに、古代米を使っているのが最大の特徴。古代米とは日本で古くから食べられていたお米で、薬膳料理などにも用いられる“黒米”や、ポリフェノールを含む“赤米”などがある。

先日、商品の発表会があり、一足先に試食してきた。きれいなきつね色に焼けており、一見するとマフィンのよう。食べてみると、見た目以上にモチモチで、古代米ならではの優しい味わいと、しっかりした弾力がたまらない。シンプルなテイストなので、トッピングのアレンジもいろいろ楽しめる。和風・洋風どちらでもいけそうだ。

ちなみに、COMECOCONとは、COME(米)とCOCON(古今)を掛け合せた造語。
「古くからある古代米の良さを若い人に伝えたい、できれば、日本のお米の良さを世界に広げたいという思いからこのブランドを作りました」
と説明するのは同ブランドを展開する株式会社竹若の竹若勝社長。滋賀の米作り名人である株式会社近江園田ふぁーむと共同で、古代米をテーマにしたいろいろな食品を企画・開発していくという。その第1弾アイテムが「バターモチ」なのだ。

商品は4月20日より、「東京米バル竹若 東京駅グランルーフ店」にて発売開始。イートインもテイクアウトも可能で、1個230円(税抜)。まずは定番のシンプルなバターモチのみだが、今後はスパイス、ハーブ、野菜のあんを入れたものなど、味のバリエーションを増やしていくという。
「そのまま食べてもおいしいですが、オーブンであたためると、外側がカリッとして、中がモチモチとして、さらにおいしくなります」と竹若社長が教えてくれた。常温で10日間保存できるので、手土産にもぴったりだ。

秋田やハワイで親しまれてきたバターモチが、今度は東京から新感覚のアレンジで発信される。バターと古代米という懐かしくて新しい味の出会い。ぜひ一度味わってみては?
(古屋江美子)