『にゃんだふる ふわっとパン』6缶セット。オープン価格。「にゃんだふる」というナイスなネーミングは、ラベルデザインを元に(株)パン・アキモトの社員さんの間で名前を公募した際に出てきたそう。

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コネタがスタートした約10年前、(株)パン・アキモトの『パンの缶詰』に関する記事を書いた。
すでにご存じかもしれないが、念のため説明すると、『パンの缶詰』とは13カ月〜37カ月も長期保存が可能なうえ、柔らかく、できたてのようなおいしさが味わえるパンのこと。

『パンの缶詰』はもともと阪神大震災がきっかけで作られた商品でもある。きっと東日本大震災の後にも多く活用されたのだろうと思い、震災発生から3年がたった今、(株)パン・アキモトのHPを訪れてみた。すると、パンの缶詰のラインアップが大幅に増えていて、中でも特に気になるものを発見!

缶のラベルに愛らしいネコのイラストが描かれた『にゃんだふる ふわっとパン』というもの。しかも東北6県ならではの味が楽しめる全6種類のセット。さっそくこの商品について(株)パン・アキモトに問い合わせて、いろいろ聞いてみることに。

――『にゃんだふる ふわっとパン』は、いつ販売されたのですか? 企画した経緯、こだわりなども教えてください。
販売開始は、2013年10月です。東日本大震災当時、「頑張ろう東北!」という言葉が全国で叫ばれ、たくさんの応援が東北へ向けられました。しかしながら、時間の経過とともに被災地のメディア報道も減り、なかなか東北の現状を知る機会が少なってきている中で、今でも復興に向けて頑張っている東北を知っていただくきっかけになればと思い、東北の食材を使った商品を開発させていただきました。「東北から元気を!」をコンセプトにしたのが、にゃんだふる缶です!!

そう答えてくださったのは、営業本部の秋元信彦さん。やはり『にゃんだふる ふわっとパン』は東北を応援するために作られたものだったのだ。味のバリエーションは「青森の雪下にんじん味」「岩手のやまぶどう味」「宮城の仙台みそ味」「秋田のりんご味」「山形のラ・フランス味」「福島のもも味」。まさに各地域ごとの名産を生かして作られていて、どれも本当においしそう! ラベルのイラストもかわいすぎます。

――缶のラベルにかわいいネコのイラストを起用したのはなぜですか?
漫画作家のかとうだいすけ氏との出会いがあり、一度弊社のパンの缶詰のラベルデザインをお願いした際に、猫の絵に「かわいらしさと優しさ」が感じられ、東北の食材を使った東北復興商品にも使用したいと思い、お願いしました。

早速、かとうだいすけさんのウェブサイトを拝見すると、やさしいタッチの温もりあふれるステキなイラストの数々が! 「パンの缶詰のラベルの絵」も紹介されていて、その愛らしさに改めてほっこり。

現在、『にゃんだふる ふわっとパン』は、大手通信販売ではディノスで販売中とのこと。

――東北の方々から『にゃんだふる ふわっとパン』についての声は届いていますか?
昨年より販売を開始した商品で、まだそこまで多くの販売店でお取り扱いいただいておりませんため、直接、東北の方の声はまだ当社には入ってきておりませんが、ラベルデザインがかわいらしいということで、お子さんを持つお母さんや、女性からの注文が多いと聞いております。

――ところで、月に一度、支援のため、東北を訪れているそうですが、具体的にはどのようなことをしてらっしゃるのでしょうか?
実際に被災地へ赴き、仮設住宅等を何カ所か回らせていただきながら、直接被災された方々と接し、揚げたてのドーナッツや揚げパン、また、お客様からいただきました『救缶鳥』などをお配りしております。

ちなみに『救缶鳥』というのは、(株)パン・アキモトが行っている世界の飢餓対策支援活動の一貫となるプロジェクトのこと。賞味期限3年で、パンの缶詰『救缶鳥』を企業などに非常食として購入してもらう。期限が残り1年となったら、回収・輸送され、飢餓に苦しむ国々へ届けられて義援物資となる仕組み。詳しくはウェブサイトをチェックしていただきたい。

――また、百貨店の高島屋とコラボレーションした東北支援企画もあるそうですが、どのようなものですか? 
高島屋様のお客様に「福幸パンの缶詰プロジェクト」を1セットご購入いただくごとに、1缶を陸前高田市へプレゼントしております。昨年から2回ほど、陸前高田に伺っており、来月もお客様の善意を届けに、高島屋様の担当者(約20名)と陸前高田へ伺います。それ以外にもNGO日本国際飢餓対策機構やプレジャー企画とともに、被災地に笑顔を作るプロジェクトを一緒に現地で行わせていただいております。

被災地を含む日本各地、さらに世界の人々をも笑顔にしている『パンの缶詰』。備蓄用に重宝するのはもちろんだけれど、ひと缶開けたらおいしくて、またすぐに食べたくなっちゃうかも……。
今回注目した『にゃんだふる ふわっとパン』をはじめ、食べ終わった後の缶もペン立てや小物入れとして活躍してくれそうです!
(田辺 香)