水餃子にそっくりな「ピエロギ」

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西にはドイツが隣接し、北にはバルト海が広がる東欧の国、ポーランド。冷戦時代はソヴィエト連邦の影響下におかれた東側諸国であったがソ連の崩壊を機に民主化を果たした共和制国家だ。かの音楽家ショパンを排出した国でもある。

一見すると、日本人にはあまりなじみがないような印象があるポーランドだが、この国のソウルフードが日本人が大好きな“もちもち”の「アレ」にそっくりだということをご存じだろうか?

それが、「ピエロギ」と呼ばれる食べ物だ。
ピエロギとはポーランドを代表する郷土料理で、東ヨーロッパ周辺ではメジャーな食べ物として親しまれている。形状はイタリアのラビオリや、トルコなどの中央アジア圏で親しまれているマントゥなどにも似ているが、何より日本人が大好きなギョーザ、とくに水餃子にそっくりなのだ! なんといってもその特徴は生地のもちもち感。洋風の水餃子といった味わいで、日本人の口にも非常に合う。

生地は強力粉とぬるいお湯を混ぜたもので簡単に作ることもできるが、卵と小麦粉、塩、ベーキングパウダーとサワークリームを混ぜ合わせたものでもOK。
成形方法も餃子と同じで、丸く伸ばした生地の中央に具材を詰めて作っていく。二つに折ったものに火を通して完成だ。茹でたものと油で焼いたものが一般的だが、最近ではオーブンで焼いたものもある。
中につめる具材は、羊乳のチーズやマッシュポテト、キノコなどの野菜やひき肉などからお好みの物をチョイス。メジャーなのは、全乳チーズとタマネギを混ぜたマッシュポテトが入っているピエロギのようだ。

筆者がポーランドに訪れた際、だいたいどこのレストランにも「ピエロギ」がメニューに記載されていた。どの店で食べても日本人の口に合う味付けなので、観光客はまずこれを注文すると失敗しないはず。

基本的には、薄いお皿に茹でたピエロギが6〜9個ほど乗せてあり、サワークリームなど店によっていろいろなソースがついてくるスタイル。全乳チーズと羊肉のピエロギは絶品……! 店によってはデザート感覚で食べられるピエロギもあり、メープルシロップのような甘いソースや砂糖をかけていただくが、こちらも美味しい。

日本人の大好きな“もちもち”食感の洋風餃子が食べられる東欧の国。食文化を通じて親近感を感じることができるはずだ!
(はなふさ ゆう)(photo by Kuruman from flickr)