9回二死から同点に追いついた鹿児島工

死闘3時間50分、鹿情報に軍配

 互いの戦力も出し尽くし、3時間50分続いた死闘は、鹿児島情報に軍配が上がった。先手をとったのは鹿児島情報。3回一死一三塁で5番・橋口詠司(3年)が右翼線二塁打を放つ。一走・四元瑠太郎(3年)の好走塁もあって幸先よく2点を先取した。

 しかし「早めに追加点を取れなかったのが痛かった」(図師賢剛監督)。続く4回は無死一二塁のチャンスもバント失敗。5回は強打で併殺と拙攻が続き、ランナーは出すものの追加点が奪えない。鹿児島情報は3回以降、実に9イニング連続で無得点と我慢の展開を強いられることになる。

 先発の竹之内恒輝(2年)は6回まで鹿児島工打線を抑え、試合を作っていたが、7回につかまる。一死二三塁で、犠牲フライで1点を返されると、図師監督はマウンドにエース西田健太(3年)を送った。

 終盤、1点を返してようやく攻撃のリズムをつかんだ鹿児島工は、9回二死満塁と一打逆転のチャンスを作る。3番・井手寛太(3年)の当たりは三塁ライナー。万事休すと思われたが、三塁手がこれを落球。三走がホームを踏み、土壇場で同点に追いついた。

 

サヨナラ勝ちにわく鹿児島情報ナイン

 そこからは両者、拙攻、拙守が続き、なかなか勝ち越し点が奪えない。

 9回裏の鹿児島情報は二死二塁と絶好のサヨナラのチャンスにセンター前ヒットが出るも、二走のスタートが遅れ生還ならず。11回表の鹿児島工は無死一二塁のチャンスも送りバント失敗で併殺。その裏の鹿児島情報は二死一二塁のセンター前ヒットでホームを狙うも好返球に阻まれタッチアウト。

 12回裏はレフト前ヒットで一気に二塁を狙った4番・四元が二塁でタッチアウト。レフト前ヒットで続いた5番・橋口も盗塁失敗。13回表は二死から力投を続けていた野村光司(3年)が執念の左中間三塁打を放つも、後続を絶たれた。

 延長15回、引き分け再試合のムードも漂い始めた中、13回裏、鹿児島情報は一死一三塁と再びサヨナラのチャンスを作ると、代打・前畑亮太(2年)がセンター前に弾き返し、消耗戦に終止符を打った。

 図師監督は「結果的に粘れたのは良かった」としながらも「決定力がなかったのが痛かった。決めるべきところで決めておかないと、苦しい試合になる」と疲れた表情で振り返っていた。

(文=政 純一郎)