「乙女帝国腐人議会2」というイベントレポート @秋葉原のクラブハウス「MOGRA」

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23時の秋葉原。オフィス街の一角にある小さなビルの入り口に、なにやら行列ができている。入り口には小さな明かりで看板が照らされ、そこに浮かび上がるのは「乙女帝国腐人議会」という見慣れない文字。女性たちが、次々と吸い込まれて行くのは秋葉原のクラブハウス、「MOGRA」だ。

深夜の秋葉原の地下では、コスプレと歓声、DJブースとサイリウムの明かり、そしてズンズンと鳴り響くアニメソングが生み出す異様な空間が広がっていた。

正体は、「乙女帝国腐人議会2」というイベントである。
「我々は常に思っていた。この作品は乙女? それとも腐? 我々は悩んだ。泣いた。考えた。【美男子が出ている。ただそれだけでいい】美男子に逢える。美男子同士が戯れる。そんな映像と音楽で溢れる素敵な一夜を貴方に」

乙女ならば誰もが避けて通れなかったこの想い……! これほど共感を呼ぶ告知文がかつてあっただろうか。これは美男子を愛する乙女の心の叫びだ。

というわけで、筆者も開場時間ぴったりに会場へ。中ではサイリウムを準備したり、メッセージボードにコメントを書き込む乙女たちの姿が。
会場内を散策していると、今年1月からアニメがスタートした『鬼灯の冷徹』のキャラクターのコスプレが大勢いることに気づく。あちらこちらに"鬼の角"と、"とがった耳"が見受けられる。他にも『うたプリ』や『弱虫ペダル』のコスプレも見られた。

そして、DJのプレイが始まり、爆音でアニメソングが流れてくる。白い壁に映し出されるさまざまなアニメのオープニング・エンディング映像の数々に乙女たちが殺到。壁に写された美男子をなで回したり、目の前でサイリウムをブンブンと振り回してダンスをしたり、なかには土下座をしながら祈り崇める乙女の姿も。男性声優が映し出されると、雄叫びを上げて声優(の映像)に飛びつく乙女の姿は、みていて清々しく神聖さすら感じられた。

「好きなDJさんが出るので参加しました。このイベント自体は初参加なので、どんな流れになるのか分かりませんが」と話していた来場者のAさんも、好きな作品が流れると全身でリズムを刻み、時には絶叫しながらサイリウムを振って楽しんでいた模様。

また、「私は腐女子ではないですが、乙女ゲー(ム)が好きで。そういう音楽にも強いDJさんが出るというので参加しました」と話すBさんや、「男性声優さんに強いDJさんが参加するということで、楽しみにしてきました」と話すCさんも。

彼女は「腐女子のイベントって思って参加しているわけではないんです。私は男性声優さんと美形キャラが好きなだけなんで」とも続けた。どの参加者もキレイな乙女ばかりだ。

腐女子だろうと腐女子でなかろうと、とにかく好きな作品を朝まで愛でまくりたい……! 人目を気にせず全力で騒ぎたい……! そんな熱い想いを叶えてくれるのがこのイベントだ。好きなものを全力で応援する姿は実に潔い。

男性参加者のDさんは、「女友達に誘われて来ました。好きなアニメが流れた瞬間はマジでテンションが上がりましたね。アニメ好きだったら男女共に楽しめると思う。知らないアニメを知る良いきっかけにもなりました」と話す。

美男子を愛する乙女たちの愛と狂気と絶叫が渦巻く宴は、朝まで続いた。ぜひ一度、クラブハウス「MOGRA」に足を運んで、非日常的な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。
(はなふさ ゆう)