日本テレビと視聴率首位レースを繰り広げているテレビ朝日がまた新たなチャレンジに出る。
 体重110キロの刑事を登場させ、事件を解決させるというミステリーをスタートさせるのだ。

 タイトルはずばり『刑事110キロ』で、主役・花沢太郎役に117キロある石塚英彦を起用。芸能生活31年目にして初めてのドラマ主役となる。
 「刑事ドラマでどうしても新キャラを作りたいテレ朝と、石塚の再浮上を狙う事務所との思惑が一致したのです」(ドラマ制作会社)

 石塚再浮上策の根底には、コンビ芸人によくみられる仕事量の格差があるともっぱらだ。
 ホンジャマカとしての相方、恵俊彰は平日ベルトの情報番組『ひるおび!』(TBS系)のほか、『MUSIC FAIR』(フジ系)、『世界体感!』(NHKBS1)などのレギュラーがあり「年収1億円はゆうに超える」(事務所関係筋)という。
 これに対し、石塚は年の半分はグルメリポーターとして全国津々浦々を歩き回る仕事がほとんど。年収も恵の4分の1で“格落ち感”は否めない。

 ただ、石塚は一時「好感度調査」で1位になったことがあり「まいう〜」のギャグをはやらせた実績もある。中・高校生ら学生の間で根強い人気を誇っているのも事実だ。
 「噂の粋を出ないが、今の処遇に不満の石塚は、やけ気味の行動をとることが目立っていたという。普段は王様キャラで笑顔なし。あのニコッと笑った顔からはとても信じられません」(芸能界事情通)
 そこで事務所内では数年前からひそかに石塚リニューアル計画が進められ、今回、俳優としての再デビューがやっと決まったようだ。

 テレ朝としては、毎クールごとに刑事ドラマを何本か並べてきた。
 4月期クールでは上川隆也『遺留捜査』(水曜、夜9時)、坂口憲二、伊藤英明『ダブルス〜二人の刑事』(木曜、夜9時)、それに石塚『刑事110キロ』(木曜、夜8時)の3本が並ぶ。
 「デブが主役だと暑苦しく、息苦しいので、なかなかスポンサーがつきにくいが、今回は好感度ナンバーワンの過去の勲章が武器になったといえる」(テレビ情報誌担当者)

 吉と出るか、凶と出るか。
(編集長・黒川誠一)