ポール・トーマス・アンダーソン監督
 - Andreas Rentz / Getty Images

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 映画『ブギーナイツ』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などでおなじみのポール・トーマス・アンダーソン監督が、作家トマス・ピンチョンの小説「LAヴァイス」の映画化作品の撮影を、来年に開始することがThe New York Timesで伝えられた。

 トマス・ピンチョンの原作「LAヴァイス」(英題「Inherent Vice」)は、70年代のカリフォルニアを舞台にマリファナ中毒の私立探偵ドックは、かつての恋人シャスタから依頼を受けたが、自分の記憶さえ定かではないドックは、徐々に秘密組織“黄金の牙”の活動を知り、さらに都市開発にかかわる陰謀に巻き込まれていくという設定だ。

 アンダーソン監督は、2010年にこの原作の映画化の契約を結んだが、その後ホアキン・フェニックス主演の映画『ザ・マスター』を先に撮影していた。

 現在アンダーソン監督は、原作「LAヴァイス」の脚色をほとんど済ませたようで、2013年には撮影に入ると同紙に明かしている。主演は、2011年の時点ではロバート・ダウニー・Jrが候補に挙がっていたが、今回のインタビューでその件に関しては触れていないため、彼が主役を演じるかは定かではない。

 アンダーソン監督は90年代後半に3本の映画を製作したが、映画『パンチドランク・ラブ』以降、10年間で『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『ザ・マスター』のわずか2作と、時間を掛けて製作していた。だが次回作は、予想よりも早く公開できることになりそうで、早くも楽しみだ。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)