現代美術家 高嶺格「クールジャパン」展 水戸芸術館で開催

写真拡大

 現代美術家・演出家 高嶺格(たかみねただす)の個展「高嶺格のクールジャパン」が12月22日、水戸芸術館現代美術ギャラリーでスタートした。現代社会に潜む支配や抑圧のシステムに対して、批評的かつユーモアのある作品を発表する同氏。昨年まで国内を巡回していた個展「とおくてよくみえない」に続いて、今回は日本人の無意識に働きかけてきたイメージや言葉に焦点を当てたインスタレーションを展開し高嶺格版クールジャパンを提示する。会期は2013年2月17日まで。

高嶺格「クールジャパン」展開催の画像を拡大

 鑑賞者と作品との双方向性を志向するインスタレーションやパフォーマンスを数多く手がけている高嶺格は、アメリカの帝国主義や障碍者の性、在日外国人問題といったテーマに焦点を当てて作品世界を創出。2003年のヴェニス・ビエンナーレ参加を経て、2011年から2012年にかけては国内3つの美術館で個展「とおくてよくみえない」が巡回しており、国内外で評価を得ているという。

 食からアニメ、マンガ、ゲームまで幅広い日本文化を海外に積極的に発信するために日本政府が掲げるキーワード「クールジャパン」をタイトルに使用した個展「高嶺格のクールジャパン」は、3.11を経て「人はなんのために生きるのか?」という問いから生まれた新作を披露。同展に向けて、高嶺格は「(震災後)私たちはイメージの数多くを目にしてきたけれども、その裏にある見えないものをいかに可視化できるか。その見えないものとは最近生じたものではなく、昔から連綿と続いている。原爆から福島の原発事故に対して、人々がこれまでどう反応しどう抑えつけられてきたか、ということと関連して考えたい」とコメントを発表している。

■高嶺格のクールジャパン/Tadasu Takamine's COOL JAPAN
 会期:2012年12月22日(土)〜2013年2月17日(日)
 開館時間:9時30分〜18時 ※入場は17時30分まで
 会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
 休館日:月曜日 ※年末年始12月27日(木)〜2013年1月3日(木)
     ただし12月24日、1月14日、2月11日(月・祝)および12月25日(火)は開館、
1月15日、2月12日(火)休館
 入場料:一般800円、 前売・団体(20名以上)600円
     中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
     ※一年間有効フリーパス → 「ハイティーンパス H.T.P.」1,000円/対象15歳以上20歳未満
         「おとなのパス」 2,500円/対象20歳以上
 https://arttowermito.or.jp/