「酔うと説教魔になる」という中尾ミエさんに「ミエさんが話す昔話がたまらなく楽しい」とミッツ氏

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情報バラエティ番組『5時に夢中!(通称“ゴジム”)』(TOKYO MX)からお届けする短期集中リレー連載もついに最終回。金曜日を担当している、芸能界の生き字引・中尾ミエさんと、おなじみ、ミッツ・マングローブ氏の対談、そしてマダムたちの“猛獣使い(笑)”3名のお言葉でフィナーレを迎えましょう!

■電車移動に缶ビール? 中尾ミエの意外な日常

―『5時に夢中!』(以下、ゴジム)金曜日は、番組コメンテーターふたり体制のほかの曜日とは違い、中尾ミエさんとゲストという組み合わせ。そして、ミッツさんの立ち位置はというと……なんと、女子アナ(笑)。こう言っては失礼ですが、ものすごい違和感があります。

中尾 私だって最初は驚いたわよ(笑)。もともとミッツは通販コーナーの生CM担当で、月に1回出演していたんです。それがいつの間にか、しょっちゅう顔を出すようになっていて、気がつくと「えーっ、レギュラーになっちゃったの」みたいな。しかも、女子アナだっていうじゃない。その話を聞いたときは耳を疑ったわよ。

ミッツ ある種、天変地異みたいなものよね(笑)。

中尾 でも、今はすっかり女子アナとして定着して。本当にマジメなのよ。ゲストの方ともちゃんと打ち合わせをしているし、原稿も細かくチェックしている。なかなかできることじゃないわよ。

ミッツ これはね、私にとって究極の“ごっこ”なんです。女子アナごっこというね。やるからには徹底してやらないと意味がないし、何よりも面白くない。例えば、脚の組み方。ニュース番組を見ていると、女子アナってテーブルの下できれいに脚を組んでいるじゃない? 私もそれを意識してピッタリそろえているの。あと、CMがあけた直後の表情ね。よく女子アナが原稿をトントンってしながらカメラをチラッと見たり、MCとにこにこ談笑してたりするでしょ。そういうところまで緻密にやるのが楽しいのよね。

―イメージしている女子アナはいるんですか?

ミッツ 私の原風景はNHK『ニュースセンター9時』のキャスターだった宮崎緑さんですね。でも、毎回イメージを変えてもいいかもしれない。今日は三雲孝江(みくもたかえ)さん(元TBS)みたいにやっちゃおうとか、加賀美幸子(かがみさちこ)さん(元NHK)みたいに笑わない日があってもいいわねとか(笑)。けど、それは私のひそやかな楽しみ。ミエさんにも内緒なの。

中尾 昔と比べて、ミッツは原稿読みが上手になりましたよ。おかげで、見た目とのギャップがさらに大きくなっちゃったけど。

ミッツ 私なんかのことより、あの中尾ミエがゴジムに出演していること自体、まともじゃないですよ(笑)。だって、これは本当にものすごいことなのよ。

―そうですよね。ミエさんは出演オファーが来たとき、どう思われたんですか?

中尾 特に何もないわよ。私は面白がり屋だし、基本的に来るものは拒まずだから(笑)。それにこういう番組をやっていると、「こんな機会でもなかったら、もう会えなかったわね」という人に再会できたりするからいいのよ。

ミッツ 久しぶり、みたいなヤツね。私が感慨深かったのは、伊東ゆかりさんと園まりさんがゲストにいらっしゃったとき。だって、あの“三人娘”がコメンテーター席に勢ぞろいしたんだもん。若干、シュールだったわよ(笑)。

中尾 ゲストといえば、お店をやってる方だと、放送後にそこに遊びに行ったりして。ミッツのお店にも行きましたよ。でも、この人と一緒にいるとすごく目立つから電車に乗れないの。

―え〜っ! ミエさんも電車に乗るんですか?

中尾 当たり前じゃない。普通に乗るわよ。先日は月島までもんじゃを食べに行ったわね。お店に向かう途中にコンビニで缶ビールを買ってね。みんなでのんびり歩いたの。

ミッツ ミエさんの日常は本当に面白いんですよ。生まれる前からテレビで見ていた昭和の大スターだから、歩いているだけでもすごく不思議な光景。

―生まれる前って(笑)。

ミッツ だから、“もしもシリーズ”で置き換えることができるんです。「もしも、あの中尾ミエが電車に乗ったら?」とかね。私生活を想像できないから、普通のことでも面白いんです。

―確かに。先ほどビールの話が出ましたが、おふたりともお酒が強そうですね。

中尾 まぁ、なんでも飲みますね。そうそう、最近ようやく違いがわかるようになってきたの。

ミッツ なんの?

中尾 お酒はね、料理に合うものを選んだほうがおいしいっていうこと。イタリアンならワイン、中華なら紹興酒、お寿司なら日本酒という感じでね。昔、お寿司屋さんでワインを出すところがあったけど、あれはダメですよ。

ミッツ もう芸歴50年ですよ、ミエさん。今頃ですか(笑)。

―(恐る恐る)ちなみに酔うと、どうなるのでしょう……。

ミッツ ミエさんは、お話がさらに……。

中尾 説教魔になるわね(笑)。

ミッツ アハハハ。よかった、自分で言ってくれて。

中尾 一応、私は年長者ですから、いろんな話をしてすっきりさせてもらっています(笑)。

ミッツ ただ、仕事の話はほとんどしないですね。私は昭和歌謡が大好きなので、ミエさんが話す昔話がたまらなく楽しいんです。あの曲はこんないきさつで歌ったとか。そういう話を聞いているとワクワクしちゃう。

―絶対に誌面では書けない話とかありそうですね……。今と昔、芸能界も大きく変わりました?

中尾 私はテレビの創成期から見てますけど、やっぱり違いますね。昔は番組を作るのも、出演者とスタッフが一生懸命アイデアを出し合って切磋琢磨していましたよ。でも、今は放送機器の発達もあって、どんどんラクなほうに流れてしまっている。それがテレビをつまらなくしている原因じゃないかな。

ミッツ 最近はどの局にチャンネルを合わせても、同じような番組ばかりだもん。

中尾 出演者もみんな一緒だし、誰もが私生活を切り売りしている気がするの。芸人だったら、やっぱり芸で売っていかないと。皆さんにはもっと遊び心をもってほしいですね。

―遊び心といえば、週刊プレイボーイ46号では、おふたりをはじめ、ゴジムのコメンテーター全員を袋とじにさせてもらいました。

中尾 袋とじってなあに? 見せちゃいけないヤツ?

ミッツ 立ち読みじゃダメ、買わなきゃ見せてあげないという“お宝写真”がとじられているのよ。

中尾 アハハハ。でも、いいじゃないですか。そういう遊び心は大事ですよ。

―ありがとうございます。そんなこんなで週プレも46周年です。

ミッツ ミエさんのほうがちょっとだけ先輩ね。

中尾 まぁ、ここまで頑張ってきたんだから、お互いもっともっと長生きしましょうよ(笑)。

(取材・文/高篠友一 撮影/佐藤 学)

●中尾ミエ(なかお・みえ)

1946年6月6日生まれ、福岡県出身。1961年に“スパーク三人娘”を結成し、本格的に芸能活動をスタート。16歳のときにリリースした『可愛いベイビー』が大ヒット。その後、女優としても多くの作品に出演。最新情報は公式サイト【http://www.nakaomie.com/】

●ミッツ・マングローブ

1975年4月10日生まれ、神奈川県出身。慶應義塾大学法学部卒業。新丸の内ビルディングにあるスナック「来夢来人」のママ。歌手としても活動しており、“星屑スキャット”のメンバーとしても活躍中。最新情報は公式ブログ【http://ameblo.jp/mitz-mangrove/】