インタビュー:クリスチャン・ベール「演じることができるのは役者だけ」
――本作には、前作のキャラクターたちも登場して、アルフレッドとの口論も以前よりも多くなりましたよね。マイケル・ケインとは、緊迫した特別なシーンが多かったように思いますがいかがでしたか?
クリスチャン:彼は『バットマン ビギンズ』から常に安らぎや平穏といった要素の中心的な位置にいる存在なんだ。そんなアルフレッドが「これはいつ終わるのですか?」と尋ねるシーンがある。「あなたがやりたいのはわかりますが、この結末について考えたことはあるのですか?」とね。彼は賢明だ。まさに確信を突く言葉だと思ったよ。ブルースは終わりなど考えたことがなかったんだ。おそらく悲劇的な結末を迎えるだろうということくらいしかね。――アルフレッドは、バットマンのカムバックを望んではいませんでしたね。それはルーシャス・フォックスも同じようでした。それでも、今回のブルースとフォックスの関係は興味深いものでしたね。
クリスチャン:そうだね。ルーシャスは、バットマンに内在する果てしない潜在能力を見抜いていたんだ。でも彼はこれがブルースとアルフレッドに何をもたらすのか、ということまでは考えていなかったんだよ。――本作では、新たなガジェットも登場しましたね。バットも登場しましたが……。
クリスチャン:あれは、バットマンの新たなガジェットで、どう言えばいいのかな。説明しづらいな。ヘリでも飛行機でもないし。とにかくバットマンが犯罪と戦う上で役立つもので、あの雄姿をスクリーンで観るのが楽しみだよ。――監督はできる限り実写での撮影にこだわったそうですが、それは役者にとってどのような意味がありましたか?
クリスチャン:“すべてを自分たちでやる”という意味だったね。別に構わないと思っていたよ。というのも、どの戦いにも物語が描かれていると感じていたし、戦闘シーンを単なるアクションにするべきではないと思っていたからね。それぞれの戦いの中で各キャラクターの物語がしっかりと描かれるべきだと考えていたんだ。そうなると、それを演じることができるのは役者だけだからね。クリストファー・ノーランとの仕事
――これまで何度もノーラン監督と仕事を重ねて、彼の監督としての進化を目の当たりにしてきたと思います。あなたにとってノーラン監督と仕事をする醍醐味とは何ですか?
クリスチャン:確かに僕は、彼の監督としての進化を見てきたけど、彼は初対面の時から変わらず、自信に満ち溢れ、自分が求めているヴィジョンをはっきりと掌握している人なんだ。自分の中で求めているものを手に入れることができれば、役者に多様な芝居を要求することもなかったし、余計なテイクを撮るようなタイプの監督ではない。僕が「もう数テイク試したい」と言っても、彼はきっぱりと「これ以上は必要ない」と言う人なんだ。非常に勇敢で明確な映画監督だね。――本作では様々なロケーションが登場しましたね。あちこちに旅をされたと思いますが、これも重要な要素だと思いましたか?
クリスチャン:今回は確かに色々な場所を訪れたね。例えば、インドにも行ったけれど、あれはきちんと現地で撮影するべき場所だということは明らかだった。インドの光景をアリゾナで代替え撮影できるはずがないからね。それにバットマンは、アメリカを象徴する存在でもあるけれど、世界を象徴する存在でもあるんだ。だからこそ、それぞれのロケーションで撮影することが重要だったんだよ。――三部作とノーラン監督との仕事を振り返ってみていかがでしたか?
クリスチャン:今この時代に、この作品に携わることができて誇りに思っているし、バットマンを単にスーツを着込んだ男というのではなく、そこにしっかりとした理由を与えることができたことにも誇りを持っているよ。そして、監督をはじめ、シリーズに登場したキャストやスタッフと共に仕事ができたことを光栄に思っているね。ついに、ハリウッド映画史に残る“伝説”が壮絶に終わる。現代的に一新されたコスチュームに身を包んだキャットウーマンのスピンオフ企画があるという。果たして、クリスチャンが認めたアン・ハサウェイのキャットウーマンは、本作で見納めとなってしまうのだろうか。
映画『ダークナイト ライジング』は、丸の内ピカデリーほか全国大ヒット上映中。
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