『加齢臭読本 いくつになっても、におわない人の習慣』(奈良巧・著/草思社)

写真拡大

私はいま37歳。いままで避けてきたけれど、もうあれと向き合わなければならない。「加齢臭」と。

それは書籍『加齢臭読本 いくつになっても、におわない人の習慣』を読んで思ったことだ。「加齢臭」とは本書いわく、「人間が出す『皮脂(ひし)』が酸化することで発生する『脂っぽいニオイ』のこと」。

「きちんと風呂に入り、ゴシゴシ体を洗っていても、ポイントを外していては加齢臭を振り払うことはできません。『何を使って、どう洗うか』、まずは正しい知識をもつのが大事です」と著者の奈良巧さん。

本書は、「加齢臭」の正体から、加齢臭を抑えるセッケンの選び方、体の洗い方、食事や生活習慣、洗剤選び、洗濯のやり方まで、自分のにおいに悩み続けた奈良さんの実体験をまじえて、具体的に解説。

本書で恐ろしかったのは、「加齢臭の元となる皮脂の分泌量は、30代がピーク」という話。ただ、40代以上だと30代のものとは異なる酸化物質が新たに発生するのだそう。また、男性よりも一般的に皮脂の量は少ないながらも女性も加齢臭は発生すると書かれている。

普段、雑誌記者としても活躍している奈良さんが、ライオン、サントリー、ペリカン石鹸、資生堂といった大手商品メーカーの各担当者を取材。加齢臭の話や、それぞれの対策商品の特性が担当者を通して紹介されていて、説得力があるし、納得できる。

「『固形セッケン』と『ボディソープ』、消臭効果はどっちが上?」「『高価なセッケン』と『安いセッケン』、『ふつうのセッケン』と『殺菌セッケン』、何がちがう?」といった話や、さらには、「職場ににおう人がいたら、どうすべきか?」といった悩ましい内容まで、とっても興味深い。

「お願いだから、ここの家の枕で寝ないでちょうだい。ニオイが消えなくて使えなくなるわ」。奈良さんが奥さんや友人・知人に「クサい」と言われた数々のエピソードも赤裸々に告白。このさらけ出しぶりには感動を覚えるほどだ。最初は笑ってしまっていたが、考えてみると、「自分の周りは言わないで飲み込んでいるだけかも」と思い、ゾッとした。そっちのケースの方がはるかに深刻だ。

「実は本人は悩んでいなくても、『旦那がにおうんだけど言えなくて……』というケースも多いです」と奈良さん。本書で興味深かったのは、男性限定とは謳わず、香りなどにこだわった家族全員で使えるセッケンが商品展開されているという話。風呂で共通で使っているセッケンを加齢臭対策のものに変える。それによって、「クサいわよ」と伝えることなく、ご主人にそのセッケンを使わせることができるという素晴らしいアイデア。

「周りでクサいかどうか聞ける人をつくるのが大事です。ニオイ除去の対策をはじめても、自分で効果を確かめるのはなかなか難しいこともありますので」と奈良さん。「周りで言ってくれる人がいないのなら、思い切って聞いてみるのがいちばん」とおっしゃっていたが、それも勇気がいる……。
本書では、「他人に『クサい』と言う技術」も掲載されている。 「『あなたがクサい』というより、『(あなたの)服がにおう』と言うほうがいいでしょう。ただし『5年前からクサかった』などと言葉をためこむのはNGです」と書かれている。

上記の奥さんに「クサい」と言われた話も、誤解しないでもらいたいが、「クサい」と言えるのは愛情あってこその発言として取り上げられている。

ところで、目を引いたのは本の装てい。加齢臭本らしからぬ!? あまりにもさわやかな白のデザイン。
「タイトルは内容が一目でわかるようにする一方で、デザインは極力、“ニオイの弱いもの”にして、手にとってももらいやすいように」と白に決まったのだという。さらに、カバーで使われる白のカラーの中でも、もっとも鮮やかな白! を採用。 おかげで私も本書を買ったときに、本屋レジの店員にだいぶ抵抗なく!? 出すことができた。

最後に奈良さんから。
「ひょっとしてにおっているかもと思いつつ、そのままにしている人もいるかもしれません。また、自分がにおうのでないかと悩み、疑心暗鬼になって病気になってしまうケースもあります。まずは、加齢臭について正しく理解して対策を立てる。加齢臭ときちんと向き合うことによって、コンプレックスが取り除かれて、自分への自信につながっていくと思います」自分でも、他人に対してでも「加齢臭」が気になっている人に読んでもらいたい1冊だ。
(dskiwt)