航海に大事なものは「船・羅針盤・目的地入り地図」。新入社員にかぎらず、改めてキャリアという大海原をいくことについて考える。船=自立、羅針盤=自律、目的地入り地図=自導。はたしてあなたはこの3要素が揃っているだろうか?

 2012年春、社会人になって職業に就かれるみなさん、おめでとうございます。その門出にこの記事を贈ります。

 私たちは一人一人、何かの職業を選び、1年、5年、10年、20年とかけて、職業人生を歩んでいきます。その間、どんな種類の仕事をしたか、どんな経験を重ねたか、どんな役割を果たしたか、どんな成果を残したか、これら全部をひっくるめて「キャリア」と呼びます。キャリアとは簡単に言えば「仕事を通しての生き様」「職業を通じて織っていく人生模様」です。それは、みなさんお一人お一人のオリジナルなもので、尊いものです。

 キャリアは航海に喩えることができます。航海に大事なものを考えることによって、この先、自分らしくキャリアを歩んでいくために何が必要か、が見えてきます。
 さて、航海に大事なものは何でしょうか? 私は次の3つを挙げます───「船・羅針盤(コンパス)・目的地入り地図」。その3つをキャリアに当てはめるとこういうことです。

  1)知識・能力を存分につけて自分を性能のいい「船」にする
    =「自立」的になる

  2)どんな状況でも、自らのぶれない判断を下せる羅針盤を持つ
    =「自律」的になる

  3)地図を持ち、職業人として目指すべき「目的地」を描くこと
    =「自導」的になる

では、それぞれについて詳しくみていきましょう。

◆「船を造れ」〜まずはきちんと能力・経済力・体力をつける

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