中秋の名月に照らされる首里城で開催された「第18回 首里城公園 中秋の宴」

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9月10日と11日の2日間、那覇市の首里城公園で「首里城公園・中秋の宴」が開催された。18回目を迎える今年も、琉球王朝時代の華やかな宴が体感できるとあって、多くの外国人や琉球伝統芸能ファンが詰め掛けた。

【画像】首里城正殿前で披露された、琉球伝統芸能の様子を紹介 ※写真は宮城能鳳氏による古典舞踊「瓦屋」

「中秋の宴」は、かつて沖縄が琉球王国として繁栄した時代に行われていた催しを、イベントとして再現したもの。中国の使者もてなす“冊封七宴”と呼ばれる七つの宴があり、その内の一つである“中秋の宴”は、旧暦8月15日の十五夜の夜に開かれていた。中秋の名月の下で、華麗な琉球舞踊や組踊が披露されていたそうで、現代でも同じ名を冠したイベントが、毎年この時期に開催されている。

初日は、祝賀の始まりには欠かせない琉球古典舞踊「かぎやで風」でスタート。続いて、首里城内の特設舞台で上演されることが多かったため、“宮廷舞踊”とも呼ばれる「醜童」「上り口説」「天川」などの演目が披露された。演舞中、日が落ちていくに連れて舞台の表情も変わっていき、首里城正殿の紅の漆と月の光があいまって、宴にふさわしい華やかな雰囲気に包まれていた。

この2日間には、人間国宝の島袋正雄氏・照喜名朝一氏・城間徳太郎氏・西江喜春氏が独唱を、宮城能鳳氏が琉球舞踊を披露。中でも、ことし90歳になるという島袋氏の貫禄ある歌声や、会場の雰囲気を一声で変えた照喜名氏のダイナミックな歌声に、観客は大いに魅了されているようだった。さらに、音楽・踊り・台詞で構成されている歌劇“組踊”も、両日のプログラムに登場。組踊は、歌舞伎や狂言に近い沖縄独自の伝統芸能で、親子愛と夫婦愛を描いた「花売りの縁」と、史実を基にした仇討物語「二童敵討」が、それぞれ10日と11日に上演された。

また、11日には、首里城公園が主催するイベントに一年間参加することになる国王・王妃の選出大会も開催。話題の小説&ドラマ「テンペスト」の影響で応募したという候補者など、合計10人の国王・王妃候補の中から、国王に宮城賢太郎さん、王妃に宮里朱(あや)さんが選ばれた。保育士として働いているという宮城さんの「子どもたちに『王様になったよー!』と伝えます」というコメントに、会場は大きな笑いに包まれていた。

最後に披露されたのは、月見を主題にするところから、“月見踊り”とも呼ばれる琉球舞踊「瓦屋」。「中秋の宴」にふさわしく、美しい月に照らされる中で、2日間にわたる宴は幕を閉じた。【東京ウォーカー】

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