宇佐美に対しての期待値があまりにも高過ぎるという事。そして、バルエルン・ミュンヘンというチームがあまり上手く行っていないという事。この2つの状況というのは、宇佐美にとっては厳しい状況だと言えると思っていて、従ってそういう事もあるので、このデビュー戦でのプレーに関しては、宇佐美にはそれほど気にしては欲しくないかなと思っています。それよりも、すぐに気持ちを切り替えて、練習などでしっかりアピールして欲しいなと思っています。

消極的なプレー、悪い判断のプレー、ボールが足に付かないようなプレー、というのは確かに目立ちましたが、サイドチェンジのロングボールを足元でしっかり収めて攻撃の起点となったり、クロスに対してダイアゴナルにゴール前へ飛び込んで行って、触れていれば得点を取れたかもしれないという惜しいシーンもありましたから、それほど落ち込む必要は無いと思っています。

前述もしましたが、どの選手にしても、最初から活躍できた選手というのはいないので、重要なのは、この経験を活かして、次にどれだけ早く修正をするのか、という修正力の部分だと思っています。香川ならば、動きの幅を増やす事で活躍のきっかけを掴みましたし、内田ならば、守備力の向上によって活躍のきっかけを掴みましたし、岡崎ならば、チームが戦い方を変えてくれた事によって活躍のきっかけを掴みましたから、そういう事をきちんと考えるという事が、とても大切な事であると思っています。

と言う事で、試合の方は、スコア「0−1」で、バイエルン・ミュンヘンが辛くも勝利しました。バイエルンは、少し攻撃が単調になっているところがあるので、シュヴァインシュタイガーを軸として、もう少しアイデアのある攻撃の組み立てが必要なのではないかと感じました。一方、ヴォルフスブルクの方も、2トップが封じ込まれてしまうと、攻撃がほとんど機能しない、という状態になってしまっていたので、そこにもう1つの攻撃の形のオプションが必要なのかな、という感じがしました。

そして、この試合も右SBとしてスタメン出場し、90分間フル出場を果たした長谷部に関しては、やはり開幕戦と同様、攻撃ではあまり良さというのは出せていませんでしたが、ほぼリベリは封じていましたし、相変わらず守備では安定しているなと思います。そうなってくると、もう1つパフォーマンスを高めるためには、ビルドアップであったり、ロングフィードであったり、そういう部分のプレーの質を高める必要性に迫られているのかな、という事も感じました。