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 MOVIE ENTERの編集部員が好き勝手に映画を批評する「編集部的映画批評」。吾輩は、特撮アクションやSF映画などのダイナミックな映画が大好物な編集員のカンタと申す。どうもよろしく。さて、そんな吾輩が第一回目の批評で取り上げる映画は、『エンジェル ウォーズ』。“鬼才”ザック・スナイダー監督の最新作を丸裸にしてしまおう。

『エンジェル ウォーズ』

 『300』のザック・スナイダー監督が初めてオリジナルの企画に挑戦するガールズ・バイオレンス・アクション・ファンタジー。精神病院に入れられてしまった少女たちがイマジネーションの世界に入り込み、脱出に必要なアイテムを集めていく。旬の若手女優たちが銃器や日本刀を駆使するバトル・シーンのカッコよさにシビれるスタイリッシュな作品だ。4月15日(金)丸の内ピカデリー他全国ロードショー。

つまり現実世界を壮大な妄想で表現?

この映画の作品紹介欄を見ると「精神病院に入れられてしまった少女たちがイマジネーションの世界に入り込み、脱出に必要なアイテムを集めていく」と解説されている。これだけ読んでみると「なんのこっちゃ?」という感じで正直理解ができなかった。実際に観てみてやっと理解ができた。精神病院に入れられたベイビードール(エミリー・ブラウニング)は、そこでスイートピー(アビー・コーニッシュ)ら4人と手を組んで脱走を試みる。その方法が、ベイビードールのダンスに看守達が見とれている内に、脱走のために必要な道具を奪っていくということ。そして、ダンスを踊るためにベイビードールが目をつぶると、ドラゴンやゾンビがいる想像世界が現れ、それらと闘って勝利すると、現実でも作戦が成功しているということになる。つまりは、現実での脱走作戦を、壮大な妄想イメージ化したものを映像で見せているということだな。たまにいるでしょ?ジェットコースターに乗っている時、宇宙船を操縦している自分の姿を妄想している人とかって。つまり、そういうこと。

“オタク”を超えているでしょ…こんなにカッコよすぎていいわけ?

ゾンビやらサムライロボットやらと闘う場面が何を意味するのかということは、前述で何となく理解できただろうか。「何だ冒険ファンタジー映画じゃあないじゃん」ってがっかりする無かれ。この映画の“妄想”は、半端ではない程の映像クオリティ。まるで、某RPGや、戦国大戦ゲームをプレイしている時のような臨場感あふれる迫力映像が目白押し。ベイビードールが闘いの中で、身長が4倍くらいあるだろう巨大サムライに吹っ飛ばされて柱に激突…でも、死なない。聖闘士星矢の闘いかこれは?みたいなものが展開されるのだ。そして、音楽。ダンスを踊り始めるときに、音楽をかけるのだが、妄想世界に入る前まではシンプルな旋律だったものが、いざその世界で闘いが始まるとオーケストラ調の音質に変化する。またに闘いの展開にあわせてサラウンドも目まぐるしく変化していくのは、まるでファッショナブルなミュージッククリップを観ている時の様にテンションがあがる。今まであった“オタク”なものを実写化しただけの映画ではなく、カッコよさが詰まりまくってくる。さすが『アバター』でアカデミー賞を獲得したリック・カーターがアート・ディレクターを担当しただけのことはある。

実は、ロケットが一番の好みなんですけど、何か?

この映画は、映像美というものは勿論ではあるが、その他にもキャスティングでも楽しめる。主要なキャラクターである5人の少女を演じた、エミリー・ブラウニング、ヴァネッサ・ハジェンズ、ジェナ・マローン、アビー・コーニッシュ、ジェミー・チャンは、いずれもハリウッドで期待の次世代スター達である。そんな彼女達が、気が強かったり、仲間思いだったり、臆病だったりするそれぞれの性格にあわせて演じきっている。まあ、演技もうまいが、5人も美少女が揃ったら、それだけでも嬉しいではないか。映画でも合コンでも、5人もいれば、大抵自分好みの女の子が一人くらいいる。ちなみにlivedoorユーザーの人気投票では、ベイビー・ドール、つまりエミリー・ブラウニングが人気の様である(2011年4月6日現在)。

ツインテールのロリータ顔のエミリー・ブラウニングが人気ということは、巷で時折ささやかれる「男はみんなロリコン」という言葉を証明してしまったようである。しかし、吾輩は、ロケット役のジェナ・マローンが好みである。今、公開されている場面写真や映像では妄想世界で黒服に身を包んだものばかりで、少しきつめに見えてしまうが、精神病院内でのロケットは、闘いの時よりも化粧が薄く、白い肌と美しい金髪が良い具合に映える。余談だが、ブロンディ役が、ブロンド美女ではなく、黒髪のヴァネッサ・ハジェンズというのは、コネタなのだろうか?

 全体的な評価をまとめよう。“エンジェル”ウォーズというだけあって、女子の活躍がメイン。男性は、嫌な奴しか出てこない。唯一ベイビードールを導くワイズマン(スコット・グレン)が、年配の渋さを出した“いぶし銀”な感じだったぐらいだろうか。そして、前述していた通り、映像と音楽の迫力はすごいので、こちらは星4つ。しかし、それ以上に、細かい部分までこだわる監督の凄さにはまいった。「CGあるからいいじゃん」と安易に考えず、5人の少女達を毎日8時間にも及ぶ武術や筋力強化などのトレーニングで徹底的に鍛え上げたところが、アクションの迫力につながっている。また、エンディングに監督のこだわりも見えるが、それは劇場で確認してみよう。

ヒーロー妄想のカンタの所見評価

迫力あってテンションがあがる度:★★★★

男の活躍が凄いぞ度:

監督がこだわり過ぎている度:★★★★★

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ギリシャ神話をベースに、神々の王ゼウスの息子として生まれながらも人間として育った青年ペルセウスが活躍するアクション・アドベンチャー超大作。監督は『トランスポーター2』のルイ・ルテリエ。『アバター』の注目株サム・ワーシントンが主人公のペルセウスを演じるほか、『バットマン ビギンズ』のリーアム・ニーソンら豪華実力派が集結している。広大なスケールのスペクタクル映像と豪快なアクション・シーンが見どころ。