/今回の震災では親を失った子供も多い。いくら集団疎開でも、彼らをこのままにしておくわけにはいかない。せめて親族を探す間だけでも、心に大きな傷を負った彼らをケアするホストファミリーの受け入れ体勢を整えていく必要がある。/

 ようやく被災者名簿が整理され始めたばかりだが、今回の震災で家族を失ってしまった子供たちも多い。にもかかわらず、まだ幼い彼らまでもが避難所の中で気丈に力を尽くしている姿を見ると、涙が止まらない。

 阪神のときの被災者の社会的孤立の失敗の経験を踏まえ、西日本の諸市では、できるかぎり地域コミュニティを保ったままでの集団疎開を準備しているが、子供たちには、それぞれに暖かい家庭と保護者が必要だ。その子だけを見つめ守る目が必要だ。成長しつつある子供の一年、一日は、成人の十年にも匹敵する。まして、今回のことは、精神的にも、あまりに大きな傷を与えている。いつまでも被災地、疎開地で、こんなつらく悲しい思いをさせておくことがあってはなるまい。

 正規に養子縁組をしなくてもいい。幸いに後に親族がみつかるかもしれないではないか。親族の生活が落ち着いてその子の引き取れるようになるまでだけでもいい。だが、それだって、彼らの親族捜しを親身に手伝ってあげる人が必要だ。とにかく、当座だけでも、一人一人に、きちんと保護する家族が付いてあげるわけにはいかないのだろうか。


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