“営業テク”は“恋愛テク”に通じる!? 女性営業コンサルタントに聞く

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 リクルート在籍5年間で「MVP」を3度受賞、現在は女性営業コンサルタントとして活躍する、営業のエキスパート・太田彩子さんへの3回にわたるロングインタビュー。

 最終回となる今回は、太田さんの最新刊となる『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版/刊)で披露されている営業テクニック、そして営業という職種についてお聞きしていきます。
 細かい気配りができる人は男女限らず、仕事でも恋愛でもモテます。しかし、逆に言えば、異性を勘違いさせてしまうこともあるのでは?そして、太田さんが勧めるそのときの対処法とは―?


―後編:“営業テク”は“恋愛テク”に通じる!?―

―これは私の個人的な感想なのですが、本書で書かれている営業のテクニックは、恋愛のテクニックに通じるところがあると思いました。

「たしかにおっしゃる通り、営業は恋愛にも通じる部分はあると思います。相手の望むことを察知・提供し相手からも好かれる過程は同じですよね。実は私、今から思えば恥ずかしいのですが、営業×恋愛テクニックについての本を書こうと考えたことがあります(笑)。」

―本書に書いてあるようなマメな対応をしてもらえると、お客様側も嬉しいですよね。ただ、本書にあるようなテクニックを実践すると、女性営業は男性のお客様から勘違いされてしまう時もあるのでは、と思いました。男性って、細かい気配りとかに弱いですから。

「私が主催している営業女子勉強会『営業部女子課』でもそういった悩みを耳にします。お客様から宴席をお誘いいただき、どう対処すればよいかわからないとか、失礼なく断ることができないというような…。特に経験がまだ浅い若手ですと、上手な付き合い方もわからなかったり、逆にお客様と仲良くなるけれども仕事には全然つながらなかったり、というような悩みが多いと思います。感情と仕事を知らず知らずのうちに混同してしまうのです。」

―たとえば、スケジュールがどうしても合わなかったり、乗り気でないお誘いは、どのように断ればいいのでしょうか。

「1億売るくらいのトップセールスウーマンの方がよく実践しているのは、お誘いいただいた“気持ち”に感謝の気持ちを表し、その上でどうしても家庭の都合(子供事情など)等でお断りしなければいけない事情を伝え、最後に代替案を提示することです。特にワーキングマザーの方であれば、夜の時間帯は物理的に動くことが難しいので、たとえば昼間のパワーランチを活用し、お客様とのコミュニケーションを図っているようです。
それと最近は、会社のコンプライアンスがとても厳しくなっているので、お客様を接待するにしても、必ず男性の上司を連れて3人以上で行く会社が増えています。また、深夜にまで及びそうな接待は男性の上司に代わりに行ってもらうとか…。男性の上司を巻き込むのが一番効果的な方法だと思います。」

―なるほど、“巻き込む力”ですね。

「そうです。上司はそういうときにこそ使わなくちゃ(笑)。」

―たいへん不躾な質問になりますが、太田さんにとって「営業」とは何でしょうか。

「そうですね…。営業とは“自分の確認作業”だと考えています。」

―“確認”とはどのような意味でしょうか?

「営業職というのは、どういう発想を持って営業すれば、お客様に貢献でき、そして、喜んでいただけるのか、ということを常に確認できるのが醍醐味だと思うんです。つまり、自分自身の営業活動によって、お客様にどのような影響を与え、どんなふうに変わっていくのかが、目の前でわかるということです。人の成長や変化を感じられることこそ、自らの幸せ、自信や成長にも繋がるからです。
営業の仕事というのは、自分の動き方次第でいかようにもコントロールできます。時には失敗することもありますが、自分のアイデアで新しい企画を提案したところ、お客様の業績が上がったとか、劇的とはいえなくとも少しずつ変化が起こった、というようなフィードバックがもらえるところが楽しいのです。もちろん、失敗したときはひたすら反省して次に活かすわけですが、この失敗経験を通じて、『ここが私の足りなかったことなんだ』とか、『ここを次はブラッシュアップして提案していこう』と自己確認をしながらさらに前へ進めるんです。」

―では、これからも営業職を続けていきたいとお考えですか?

「はい、もちろんです。」

―女性起業家としてのお話をうかがいたいのですが、太田さんが今の会社(株式会社ベレフェクト)を設立したいきさつについて教えてください。

「起業したきっかけは、私が20歳の頃に叔母に言われた一言です。その叔母も女性経営者だったのですが、『これから女性の時代が必ず来る。歯車の1つではなくて、自分で地に足をつけて商売を始めなさい』と言われました。そのときは自分が起業するという具体的なイメージは湧かなかったけれども、叔母の言葉に、すごく感銘を受けたんです。
その後、リクルートに入ってたくさんの経営者と出会うなかで、叔母に言われた言葉の意味が何となくわかってきて、自然な形で起業していました。」

―リクルートには起業家精神を育てるDNAがあるといいますが、そういったことを意識してリクルートに入社されたのでしょうか。

「いえ、起業のためのステップとしてリクルートを選んだわけではありません。とんとん拍子で選考が進んでいき、たまたま拾ってもらえた、というのが正直なところです。とても感謝ですね。」

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