社内SNSが話題になって2〜3年経つ。最近では日立製作所やエプソン、バンダイナムコなどが導入に踏み切ったが、おそるおそる様子見やだましだまし控えめにといった会社が大多数だろう。

 その背景にあるのが、お手本の少なさである。ただ、日本にもベストプラクティスがないわけではない。NTTデータの社内SNS「Nexti」は、稀有な成功例である。

 8割以上の社員が参加し、2割がアクティブという浸透度に加え、内容のある活用のされ方が特筆される。2009年2月には社団法人企業情報化協会(通称IT協会)主催の「平成20年度第26回IT賞」において“ITマネジメント革新賞”も受賞している。では、その成功の背景にあるものとは一体何だろうか?


2006年4月に始まったNTTデータの社内SNS「Nexti」には2009年9月現在で全社員の8割以上に相当する8300人が登録。日本を代表する社内SNSのベストプラクティスとなっている。

 2006年4月に始まり、2009年9月現在では約8300人が登録しているNTTデータの社内SNS「Nexti」は、週に1回以上利用しているメンバーが約1割(月に1回以上利用しているメンバーは約2割)、コミュニティは約1000(仕事関係は半数強)。2009年7月からグループ会社への横展開に着手し、既に2社の約300人が参加している。

 NTTデータの全社員が9,230名(2009年3月末現在)ゆえ、既に8割をゆうに超える人数が参加しているが、グループ展開でさらに登録者数は増えるだろう。Q&A コーナーでは、平均して1日1件以上の質問に対して回答が複数件寄せられ、日記は1日に約100件のエントリーがある。これはかなりの利用状況と言える。

・「ここが変だよNTTデータ」
・女性限定コミュニティ(「Girl’s IT Innovator」「Woman's 営業」など)
・経験者採用者コミュニティ
といった仕事についてのコミュニティもあれば、
・「温泉! 温泉!!」
・「ペットボトルキャップを集めて世界の子どもにワクチンを贈ろう!」
・「NTTデータ流モテリーマン」
といった仕事以外のコミュニティも活況だ。

 Nextiの効果には、
・組織を越えた意見交換の活性化:仕事から趣味まで活発なQ&Aやコミュニティでの議論
・同僚の「人となり」を知るきっかけ:「初めまして」という気がしない
・既存の社内ネットワークの再構築・強化:「久しぶり」という気がしない
などがあげられる。

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