星村麻衣(撮影:野原誠治)
 2008年8月に発売したシングル「ひかり」が竹野内豊・菅野美穂ら出演によるドラマ「Tomorrow -陽はまたのぼる-」の主題歌に起用され、裸足でのピアノ弾き語りスタイルから“裸足のピアノガール”として話題を集めた星村麻衣。同年9月に前作「Joyful」より2年8ヶ月ぶりとなる待望のサードアルバム「MY LIFE」を発売し、翌10月には東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて4年ぶりとなるワンマンライブを開催。2002年10月に発売したシングル「Stay With You」でのデビューから6年が過ぎ、3月4日には初のベストアルバム「PIANO&BEST」を発売した。

――今回はSINGLE BESTとPIANO BESTの2枚組となっていますが、シングルコレクションだけでなく、PIANO BESTとしてピアノをメインにしたセルフカバーを収録したのは何故ですか?

星村麻衣(以降、星村):去年オリジナルアルバムも出て、「ひかり」という曲で結構、今まで知らなかった色んな皆さんにも知ってもらえたかな?と思っていて。あっという間だったんですけど、気付いたら私も14枚もシングルを出していたという。そうやって「ひかり」で知ってくれた方とかにも、もっと昔の楽曲も聴いてもらえるいいタイミングかなと思って。それで、まずはベストという話がスタッフの中で出てきて。でもどうせ作るなら、ただのベストじゃつまらないってことで、何かやりたいと思った時に、やっぱり原点に帰ると「ピアノと自分」みたいなことをものすごく感じて。だったら、ピアノでセルフカバーを自分で曲も選んで、アレンジから何から全て自分でやりたいな、と。ちょっとバラード中心にはなってくるんですけど、聴き応えのある感じにしたいなと思いました。

――4歳の頃からピアノを始められて、以前お話を伺った時、高校ではコピーバンドでギターを弾いていた時期もあったと。

星村:そうですね。その時だけ一瞬、ギターを一生懸命練習したんですけど。

――クラシックからJ-POPをやるようになったり、他のアーティストのカバーからオリジナルで曲を作るようになるタイミングもあったと思うんですけど、ピアノから離れたいと思ったことはないですか?

星村:クラシックをずっとやっていた頃は、練習が全てな所があったので、コンクール前とかは逃げ出したくなったり(笑)、練習が辛い時期はものすごくありましたね、特に学生の時は。

――PIANO BESTに収録されている6曲の内、最後の「ストーリー」は唯一シングルではない曲ですが、星村さんにとって特に思い入れのある曲なんですか?

星村:はい。まだデビューする前に書いていた曲なので、その当時のこれから自分が歌っていくという意識がものすごく歌詞にもメッセージとして入っています。最近はライブでも全然やってなかったんですけど、だからあえて今の自分が歌ってみたいな、ということもあって選びましたね。

――PIANO BESTでは、ストリングスやウッドベースが入っていたり、かなりアレンジにこだわれている印象を受けましたが、今までアレンジはアレンジャーの方を別に立てて作られていたんですか?

星村:大体、そうですね。

――今回はアレンジ含め自分でやりたいと。

星村:そうですね。アコースティックということで、編成ももちろんすごくコンパクトにというか、シンプルにやりたいっていうのがありました。一番すごく心配だったし、ドキドキしたのは、今回ストリングスのフレーズも自分で書いたんですけど、初めてだったので探りながら、色々と試しながらやってましたね。とりあえずメロディを全部書いて、やっぱり何も知識というか、解らない所も沢山あったので、一応そこは四家さんという方にカバーして頂いて。色んなことがすごく勉強になりましたね。

――今まで出されていたオリジナルバージョンがあって、歌い直しもされたわけですよね。原曲との違いを出そうと意識されたことはありますか?

星村:やっぱり楽器が少ない分、歌が中心になるなと思ったので、もちろん感情はすごく込めつつ、でもあまり重たくなり過ぎないように。ライブ感覚みたいなこともちょっと意識しながら歌ってましたね。

――2002年にデビューされてから6年経ちましたが、ずっとご自身で作詞・作曲をされてきて、デビュー当時に書いた感情を年を重ねた今、改めて振り返ってみて考え方などが変わったなと感じる部分はありますか?

星村:いや、ものすごく。詞の世界観とか、書く言葉の選び方とかも全部。やっぱり今見ると、あの時はあの時の精一杯みたいな(笑)、伝えたいことを書いていたんですけど。まだちょっと色んな壁が取れてない感じの時期もあったな、なんて思ったり。