東京の新観光名所“築地”人気の実態は?

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“築地があつい”

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ここ数年よく聞く言葉だが、外国人観光客の増加も手伝って最近は本格的にヒートアップしているという。特に土曜日はツアー客でごったがえすらしいのだ。確かに、6月には人気漫画「築地魚河岸三代目」が映画化されるなど、従来よりもよく耳にするようになった気がする…。では実際、現場はどうなっているのか。

築地市場駅を降り地上へ上がると、土曜日の午前中ということもあってかすごい人! もちろん業者も多いのだが、明らかに一般客と見受けられる団体であふれかえっている。特に場内市場(築地市場)に隣接した商店街・場外市場の活気がすさまじい。狭い道ではなかなか前に進めないほど混んでいるのには驚いた。

大喧騒の場外市場を抜け、正門を通り場内市場(青果部仲卸業者売場と水産物部仲卸業者売場)へ。外ほど人は多くないが、ガイドの付いたツアー客が目立つ。「場外市場は一般向けだけど、場内市場のなかには値札が付いてないプロ向けの店も多い。素人仲間だけではちょっと不安だけど、ツアーでガイドが付いていれば安心感があるのでしょう。せっかくだったら場内でいい買物をしたいですから」とは、一般向けツアー“おさかなマイスターと行く「築地市場の正しい歩き方と本物の目利き」”を主催するティー・ゲートの長野義則さん。たしかに、自動車やターレ(荷役用の運搬車)などが頻繁に通行するので、右も左もわからない人だけでは危ないかも。

また、記者も築地見学にあたってホームページを見て知ったのだが、原則9時まで入場は禁止となっていたり、立ち入り禁止区域があるなど、意外と知らないことが多い。ルールを守って見学するためにも、ガイドさんがいれば心強いだろう。「最近ツアーの申し込みが増えてます。特に顕著なのは、アジア系を中心とした外国のお客さん。国家資格を持った通訳をガイドにおいてます」(同)。

約23ヘクタールある築地市場。朝9時から2時間歩き通しで正直結構疲れたが、ツアーであれば効率的に回れただろう。市場の活気に触れながら気ままに歩くのもいいが、最初はツアーに参加して、ルールを学びつつ“築地の空気”に慣れた方がいいかもしれない。

東京の名所として急激に人気が高まる一方で、市場のルールやマナーに反する一般客が増え、一部の競りの見学が禁止になるなど問題も抱える築地。マナーの徹底を含め、安全性の確保やサービス面の向上など、観光地としての整備を急ぐ必要がありそうだ。【東京ウォーカー/荒木紳輔】