【最新ハイテク講座】レーザーマウスから指マウスまで!ハイテクマウスの最新事情
マウスはキーボードとともにパソコンのもっとも重要で身近な周辺機器のひとつだ。さまざまな形状と機能のマウスが存在し、使い勝手も千差万別。マウスにこだわりを持っているユーザーは実に多く、店頭での製品選びで時間をかけるのもマウスであったりするほどだ。
もともとマウスはGUIシステムのカーソルを動かすために登場したアイテムだが、WEBブラウザの「戻る」「進む」などの機能を備えた製品もあり、驚くほど多様な進化を遂げたマウスまで登場している。とくにゲーム向けマウスは、移動量などの計測にレーザー光を使うなど、最新のハイテク技術が採用されている。
そこで今回は、マウスの歴史とともにその技術に迫ってみよう。
■マウスの歴史とそれを支える技術
マウスはどのようにして誕生したのだろうか。現在市販されているマウスには、どのようなハイテク技術が隠されているのだろうか。マウスが誕生するまでの経緯とその技術をみてみよう。
●世界最初のマウスは?
マウスは、コンピューター技術者 ダグラス・エンゲルバート氏のアイデアノートの絵から生まれたという。エンゲルバート氏は、1961年 画期的なポインティングデバイスとして「マウス」を思いつき、それを絵に描いておいた。
のちにNASAによる「画面選択デバイスに関するプロジェクトに資金を提供する」という発表を知り、会社の同僚だったビル・イングリッシュ氏に作成してもらったデバイスが世界最初のマウスとなった。
・【IT革命児】マウスを発明した父は、パソコンを身近にした天才「ダグラス・エンゲルバート」
●マウスの種類とその技術
現在市販のマウスは、インターフェイスと接続方法の違いから次のように分類できる。
・USBマウスとPS/2マウス
マウスは、インターフェイスの違いからUSBマウスとPS/2マウスの2種類に大別できる。
USBマウスは、パソコンのUSB端子に接続するマウス。パソコンが複数のUSB端子を備えている場合、どのUSB端子にも接続ができ、複数のUSBマウスを接続することも可能だ。USBハブ経由での接続にも対応している。
PS/2マウスは、パソコンのPS/2端子に接続するマウス。今日では、USB端子が主流となったことから、PS/2マウスよりもPS/2変換アダプターを付属するUSBマウスが多くなった。
・有線マウスと無線マウス
マウスは、パソコンとの接続方法の違いから有線と無線の2種類に大別できる。
有線マウスは、パソコンとケーブルで接続するマウス。一方無線マウスは、パソコンと無線(ワイヤレス)で接続するマウスだ。無線マウスは通信方法の違いから赤外線、RF、WiFi、Bluetoothの4種類に大別できる。
・ボール式マウスと光学式マウス
マウスは、それ自体を動かしたときの操作を検出する方法の違いからボール式マウスと光学式マウス次の2種類に大別できる。
ボール式マウスでは、マウスを手にとって操作すると、マウス内のボールが動き、そのボールに接触したロールの動きからマウスの移動量を読み取る。ボールがマウスパッドに直接接触するため、ボールにゴミやホコリが付くと、反応が鈍くなる。
光学式マウスは、ボール式マウスの欠点を取り除いたマウスだ。人がマウスを操作した際の移動量を機械的にではなく、光学的に測定することで、ホコリによる影響を改善させた。もう少し詳しく説明しよう。
光学式マウスでは、ボールの代わりに発光ダイオード(LED)または後述するレーザー光と光センサーが備えられている。LEDから照射された光がマウスパッドの表面に当たると、乱反射した光の一部がマウスに戻ってくる。この光を光センサーによって捕らえることで、マウスの移動量などが測定できる。初期の光学式マウスでは、光を反射しやすい専用マウスパッドを必要としていたが、技術の進歩により専用マウスパッド以外でも使用できるマウスが増えてきた。
光学マウスが移動量をとらえる原理を身近な例で説明してみよう。晴れた日に外に出ると、地面に影ができる。正午の太陽はほぼ真上から照らしているので、影は短い。逆に夕方の太陽は斜めから照らしているので、影は正午のときよりも長くなる。この原理を応用したものが光学マウスだ。
一見すると平らに見えるマウスパッドであっても、表面には微細な凹凸が存在する。ほぼ真上から光を照らした場合には凹凸はわかりづらいが、斜めから照らした場合には凹凸が光による影により強調される。この影を光センサーでとらえることで、マウスの移動量などを算出している訳だ。
レーザー式マウス(レーザーマウス)は光源にレーザーを利用したマウス。発光ダイオードに比べて光線が散乱しづらいため、読み取りの精度が高く反応応答性に優れている。素早い動きが要求されるゲームなどでの使用を目的に作られた「ゲームマウス」には、レーザーマウスが多い。
●マウスの性能はどこでわかる? - dpiとfps
マウスの性能を知るひとつの指標として、最大解像度(dpi)と読み取り速度(fps)がある。
・最大解像度(dpi)
最大解像度は、dot per inchの略で、1インチ(約2.54cm)を何個の点で表現できるかを表しており、マウスの場合にはdpiが高いほど、細かい動きに反応できる。現在のマウスは、ディスプレイの大画面(高解像度)化にともない400dpiから800dpiに主流が移ってきているが、ゲームマウスには最大解像度が4,000dpiを超える製品も存在する。
・読み取り速度(fps)
読み取り速度は、Frame Per Secondの略で、1秒間の読み取り速度を表す。数値が高いマウスほど、激しい動きに対応できる。ゲームマウスには、読み取り速度が6,000fpsの製品も存在する。
■マウスの代用品と特殊マウス
主にノートパソコンで使用されるマウスの代用デバイスと特殊なマウスについてみてみよう。
●ノートパソコン向けのポインティングデバイス
ノートパソコンは、マウスの代わりに次のようなポインティングデバイスを採用している。
・トラックパッド
マウスの代用となるポインティングデバイスのひとつ。パッド上で指を動かすことで、マウスカーソルを操作できる。マウスに比べて操作の場所をとらずメンテナンス性にも優れているが、激しい動きへの対応など、操作性はマウスの方が優れている。
トラックパッドは、指の動きを検出する方式の違いから感圧式と静電式の2種類がある。感圧式は指で押した圧力を関知するので、ペンでも操作できる。それに対して静電式はペンでは操作できないものの、感圧式に比べて指の微妙な動きに反応できる。
・トラックポイント
主にThinkPadで見られるポインティングデバイスのひとつ。スティック上の突起の先端にゴムのキャップが被せてあり、指先で操作する。
●特殊なマウス
ハイテクだが、少し変わり種のマウスをみてみよう。
・3Dマウス
3Dマウスは3次元での操作が可能なマウスだ。通常のマウス操作(X軸とY軸)に加え、縦方向(Z軸)の操作が可能なスティックまたはそれの機能に相当するボタンを供える。
通常のマウスと大きく異なる製品もある。SpaceNavigatorは、コントローラキャップを指先でつまんで押す・引く・傾ける操作で、マウスカーソルを3次元的に動かすポインティングデバイス。3D CADや3次元モデル、セカンドライフ、Google Earthなどのナビゲーション操作などに適している。
・ゴロ寝 de マウス
見ためは普通の光学式マウスだが、マウス本体を裏返すことで、指先による操作ができる。名前どおりに寝ながらでもマウスカーソルを操作できるが、立ちながらパソコンを操作するプレゼンテーションなどの用途に便利に使用できる。
・筋肉マウス
マウスに低周波治療器を組み込んだアイデア商品。付属のパッドを肩に貼れば、マウスを操作しながら肩こりをほぐすことができる。筋肉にはれば、筋力トレーニングができる。
・指マウス
指にはめて操作するマウス。多機能ではないが、マウスカーソルの移動や画面の上下スクロール、右クリックなどのマウス操作が行える。
参考:
・マウス - ウィキペディア
・MX Revolution - ロジクール
・SpaceNavigator - 3Dconnexion
・筋肉マウス - サンコー
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もともとマウスはGUIシステムのカーソルを動かすために登場したアイテムだが、WEBブラウザの「戻る」「進む」などの機能を備えた製品もあり、驚くほど多様な進化を遂げたマウスまで登場している。とくにゲーム向けマウスは、移動量などの計測にレーザー光を使うなど、最新のハイテク技術が採用されている。
■マウスの歴史とそれを支える技術
マウスはどのようにして誕生したのだろうか。現在市販されているマウスには、どのようなハイテク技術が隠されているのだろうか。マウスが誕生するまでの経緯とその技術をみてみよう。
●世界最初のマウスは?
マウスは、コンピューター技術者 ダグラス・エンゲルバート氏のアイデアノートの絵から生まれたという。エンゲルバート氏は、1961年 画期的なポインティングデバイスとして「マウス」を思いつき、それを絵に描いておいた。
のちにNASAによる「画面選択デバイスに関するプロジェクトに資金を提供する」という発表を知り、会社の同僚だったビル・イングリッシュ氏に作成してもらったデバイスが世界最初のマウスとなった。
・【IT革命児】マウスを発明した父は、パソコンを身近にした天才「ダグラス・エンゲルバート」
●マウスの種類とその技術
現在市販のマウスは、インターフェイスと接続方法の違いから次のように分類できる。
・USBマウスとPS/2マウス
マウスは、インターフェイスの違いからUSBマウスとPS/2マウスの2種類に大別できる。
USBマウスは、パソコンのUSB端子に接続するマウス。パソコンが複数のUSB端子を備えている場合、どのUSB端子にも接続ができ、複数のUSBマウスを接続することも可能だ。USBハブ経由での接続にも対応している。
PS/2マウスは、パソコンのPS/2端子に接続するマウス。今日では、USB端子が主流となったことから、PS/2マウスよりもPS/2変換アダプターを付属するUSBマウスが多くなった。
・有線マウスと無線マウス
マウスは、パソコンとの接続方法の違いから有線と無線の2種類に大別できる。
有線マウスは、パソコンとケーブルで接続するマウス。一方無線マウスは、パソコンと無線(ワイヤレス)で接続するマウスだ。無線マウスは通信方法の違いから赤外線、RF、WiFi、Bluetoothの4種類に大別できる。
・ボール式マウスと光学式マウス
マウスは、それ自体を動かしたときの操作を検出する方法の違いからボール式マウスと光学式マウス次の2種類に大別できる。
ボール式マウスでは、マウスを手にとって操作すると、マウス内のボールが動き、そのボールに接触したロールの動きからマウスの移動量を読み取る。ボールがマウスパッドに直接接触するため、ボールにゴミやホコリが付くと、反応が鈍くなる。
光学式マウスは、ボール式マウスの欠点を取り除いたマウスだ。人がマウスを操作した際の移動量を機械的にではなく、光学的に測定することで、ホコリによる影響を改善させた。もう少し詳しく説明しよう。
光学式マウスでは、ボールの代わりに発光ダイオード(LED)または後述するレーザー光と光センサーが備えられている。LEDから照射された光がマウスパッドの表面に当たると、乱反射した光の一部がマウスに戻ってくる。この光を光センサーによって捕らえることで、マウスの移動量などが測定できる。初期の光学式マウスでは、光を反射しやすい専用マウスパッドを必要としていたが、技術の進歩により専用マウスパッド以外でも使用できるマウスが増えてきた。
光学マウスが移動量をとらえる原理を身近な例で説明してみよう。晴れた日に外に出ると、地面に影ができる。正午の太陽はほぼ真上から照らしているので、影は短い。逆に夕方の太陽は斜めから照らしているので、影は正午のときよりも長くなる。この原理を応用したものが光学マウスだ。
一見すると平らに見えるマウスパッドであっても、表面には微細な凹凸が存在する。ほぼ真上から光を照らした場合には凹凸はわかりづらいが、斜めから照らした場合には凹凸が光による影により強調される。この影を光センサーでとらえることで、マウスの移動量などを算出している訳だ。
レーザー式マウス(レーザーマウス)は光源にレーザーを利用したマウス。発光ダイオードに比べて光線が散乱しづらいため、読み取りの精度が高く反応応答性に優れている。素早い動きが要求されるゲームなどでの使用を目的に作られた「ゲームマウス」には、レーザーマウスが多い。
写真1 光学式マウス(LED) | 写真2 ロジクールの多機能マウス「MX Revolution」(レーザー) |
●マウスの性能はどこでわかる? - dpiとfps
マウスの性能を知るひとつの指標として、最大解像度(dpi)と読み取り速度(fps)がある。
・最大解像度(dpi)
最大解像度は、dot per inchの略で、1インチ(約2.54cm)を何個の点で表現できるかを表しており、マウスの場合にはdpiが高いほど、細かい動きに反応できる。現在のマウスは、ディスプレイの大画面(高解像度)化にともない400dpiから800dpiに主流が移ってきているが、ゲームマウスには最大解像度が4,000dpiを超える製品も存在する。
・読み取り速度(fps)
読み取り速度は、Frame Per Secondの略で、1秒間の読み取り速度を表す。数値が高いマウスほど、激しい動きに対応できる。ゲームマウスには、読み取り速度が6,000fpsの製品も存在する。
■マウスの代用品と特殊マウス
主にノートパソコンで使用されるマウスの代用デバイスと特殊なマウスについてみてみよう。
●ノートパソコン向けのポインティングデバイス
ノートパソコンは、マウスの代わりに次のようなポインティングデバイスを採用している。
・トラックパッド
マウスの代用となるポインティングデバイスのひとつ。パッド上で指を動かすことで、マウスカーソルを操作できる。マウスに比べて操作の場所をとらずメンテナンス性にも優れているが、激しい動きへの対応など、操作性はマウスの方が優れている。
トラックパッドは、指の動きを検出する方式の違いから感圧式と静電式の2種類がある。感圧式は指で押した圧力を関知するので、ペンでも操作できる。それに対して静電式はペンでは操作できないものの、感圧式に比べて指の微妙な動きに反応できる。
・トラックポイント
主にThinkPadで見られるポインティングデバイスのひとつ。スティック上の突起の先端にゴムのキャップが被せてあり、指先で操作する。
●特殊なマウス
ハイテクだが、少し変わり種のマウスをみてみよう。
・3Dマウス
3Dマウスは3次元での操作が可能なマウスだ。通常のマウス操作(X軸とY軸)に加え、縦方向(Z軸)の操作が可能なスティックまたはそれの機能に相当するボタンを供える。
通常のマウスと大きく異なる製品もある。SpaceNavigatorは、コントローラキャップを指先でつまんで押す・引く・傾ける操作で、マウスカーソルを3次元的に動かすポインティングデバイス。3D CADや3次元モデル、セカンドライフ、Google Earthなどのナビゲーション操作などに適している。
・ゴロ寝 de マウス
見ためは普通の光学式マウスだが、マウス本体を裏返すことで、指先による操作ができる。名前どおりに寝ながらでもマウスカーソルを操作できるが、立ちながらパソコンを操作するプレゼンテーションなどの用途に便利に使用できる。
写真3 ゴロ寝しながら操作できる「ゴロ寝 de マウス」 |
・筋肉マウス
マウスに低周波治療器を組み込んだアイデア商品。付属のパッドを肩に貼れば、マウスを操作しながら肩こりをほぐすことができる。筋肉にはれば、筋力トレーニングができる。
・指マウス
指にはめて操作するマウス。多機能ではないが、マウスカーソルの移動や画面の上下スクロール、右クリックなどのマウス操作が行える。
写真4 肩こりもほぐせる「筋肉マウス」 | 写真5 指で操作できる「指マウス」 |
参考:
・マウス - ウィキペディア
・MX Revolution - ロジクール
・SpaceNavigator - 3Dconnexion
・筋肉マウス - サンコー
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