PRADA携帯をリリースするLG電子のブランドイメージは高い

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フランス人デザイナーの手による「SIMPURE L2」の発売に引き続き、NTTドコモの704シリーズには世界的なヒットとなった"チョコレートフォン"デザインのL704iが投入されるなど、ここにきて"LG電子"の日本市場へのプレゼンスが高まりつつある。日本ではまだマイナーな存在ではあるが、海外ではブランド戦略の成功により同社の評価は販売台数以上に高い。ここ数年で世界シェア5位まで上りつめた同社の秘密はどこにあるのだろうか。

■製品開発の中心は「デザイン」

"LG電子といえばデザイン"。いまや海外での同社のブランドイメージは非常に高い。それを牽引しているのが"チョコレートフォン"シリーズだ。2005年冬に韓国市場に登場した後、対応周波数や機能を変えた端末が全世界に向けて発売されている。今年4月にはシリーズの累計販売台数は1,000万の大台に達している。

チョコレートフォンはツヤのある黒一色のボディーにタッチセンサーキーを搭載。数字キーの配色を濃淡2色にするなど、名前の通りにチョコレートを連想させるデザイン。チョコレートという「かわいらしく、わかりやすい」ネーミングもヒットの要因の一つだろう。ミッドレンジクラスの機能を搭載しているが、商品の特徴はそのデザインそのものであり、広告などでもスペックではなくイメージそのものを前面に押し出している。チョコレートフォンを持つことは"おしゃれ"であり"カッコイイ"、そう思わせる戦略もみごとに成功したわけだ。

海外の展示会でもチョコレートフォンの人気は上々カラーや機能バリエーションもあるチョコレートフォン(写真はワインレッド)


現在はオリジナルの黒に加えて白、ピンク、ワインレッドも加わり、それぞれ「ホワイトチョコレート」「ストロベリーチョコレート」のようなニックネームで呼ばれている。また同社のローエンド機種やスマートフォンにもチョコレートデザインが採用されるなど、製品ラインナップの多くがチョコレート化されているほどだ。

同社は、その一方で2006年冬に金属素材を採用した薄型端末「Shine」シリーズを発表。チョコレートフォンとは対極にある高級感ある質感やデザイン、そして金属という本物の素材を採用したことでこれも瞬く間に話題の製品となっている。高価格ながらも発売から半年で販売累計台数は100万台に達し、チョコレートフォンに続く同社のデザイン携帯のもう1つの柱に育っている。同社は端末の開発を"デザイン中心"へと完全にシフトしており、端末のデザインに合わせて機能を搭載し、またデザインを生かすマーケティングやブランド戦略を行っている。このShineやチョコレートフォンなど、同社のデザイン・プレミアム端末は「Black Label」というメインブランドを利用している。

チョコレートとは全く違う質感のShine


また同社のデザイン携帯で忘れてはならないのがPRADAとコラボレーションした「PRADA携帯」だ。外観やUIのデザインはPRADAの製品となるべく仕上げられているが、黒一色のシンプルなスタイルは偶然の一致かチョコレートフォンに通じるデザインを持っている。