リーグ・アン、ランスのギィ・ルー監督(68)が、“高齢”を理由にプロサッカー連盟(LFP)から就任を無効とされていた問題について、フランス・スポーツ・オリンピック全国委員会(CNOSF)が11日、LFPの決定を覆し、ルー監督の就任を認めることを決定した。フランス通信(AFP)などが報じている。

 LFPの法務委員会は先月27日、ランスとルー監督の間で交わされた契約を、プロフットボール憲章(1974年制定)に定められた65歳という年齢の上限を越えているため“無効”と判断していた。

 ランスとルー監督は、LFPの決定に対し、「年齢を理由にした雇用差別の禁止」を定めた欧州連合の規則に違反しているとして、CNOSFに異議申し立てを行なった。ルー監督の主張は、サルコジ大統領やバシュロ・スポーツ大臣からも支援を受けていた。

 ルー氏は、1961年から2005年まで42シーズン(2000年に一度辞任し、翌年に復帰)にわたりオセールで監督を務めた国民的人気者。1980年にオセールをリーグ・アンに引き上げ、4度のフランス杯制覇、1996年のリーグ優勝、1997年のインタートト杯優勝など、数々の栄冠をチームにもたらした。バジル・ボリ、エリック・カントナ、ジブリル・シセやフィリップ・メクセスら大物選手の育ての親でもある。 “オセール一筋”だったルー氏がランスの監督として復帰するとの報は、驚きをもって迎えられた。

 今回の“老将”の就任問題をめぐっては、サッカー界だけの問題に限らず、フランスの社会問題としても広く議論された。ルー監督の“逆転勝利”は、硬直化したフランスのシニア雇用の問題に一石を投じたと言える。