“周知の事実”と言われていたベルント・シュスター監督がようやく“正式”にレアル・マドリーの新監督に就任した。ヘタフェに違約金48万ユーロ(約8000万円)を支払い、晴れて自由の身となったシュスター監督は、レアル・マドリーとサインを交わし、レアル・マドリーの新監督となった。監督として初めてビッグクラブを率いることになるシュスター新監督だが、新たな挑戦に期待を膨らませ、素晴らしいフットボールとタイトルの獲得を約束した。

「どういうクラブを率いることになるのかは分かっている。選手としてプレーしていたから分かっているよ。私は自身を含め周りの人々にも多くを求めることを信条としてきたし、どこにいても常に最高を求めてきた。これまではタイトルとは無縁のクラブにいたが、今は違う。レアル・マドリーを率いるというチャンスを得た。最高の結果を求められ、タイトルを獲得するだけでなく、ファンや多くの人が楽しむフットボールを望んでいるということも理解している。私の考えは皆が期待しているものと一致するし、その点については問題ない」。

 意欲と自信を語ったシュスター監督は、選手達にも良いフットボールの実践を求めていくし、選手達はその要求に応えてくれると信頼を見せ、ファビオ・カペッロ前監督の採用していたダブルボランチは封印し、ワンボランチで行くと明言。システムで固めることなく、選手一人一人の的確な場所を見つけ、ある程度の自由を与えるつもりのようだ。

 今のところ、レアル・マドリーが来シーズンに向けて獲得しているのはドイツ代表DFクリストフ・メッツェルダーだけ。レアル・マドリーが獲得を狙っているカカとセスクについては称賛の言葉を送ったものの、彼らを含め補強選手についての明言は避けている。

 カペッロ前監督がリーガ優勝を果たしたことで「逆にプレッシャーはない」と言うシュスター新監督。結果だけでなくプレーの内容も求められながらリーガ2連覇を目指し、そしてチャンピオンズリーグという大舞台で初めて指揮を執ることになる。それまでにまずは選手の放出、そして補強とチームのベース作りに目を向けることになる。シュスター新監督の船出は今始まったばかりだが、どのような素晴らしいフットボールを披露してくれるのかに期待が高まる。

(スペイン通信)