プレミアリーグはレフェリーの判定を助ける新技術の導入を検討している。レフェリーが微妙な判定に頭を悩ます場面としてまず思い浮かべるのが、「ボールがゴールラインを割ったか?」というケース。時には監督や選手がレフェリーを名指しで非難し、メディアがリプレイを検証して判定の正否を判断するなど、物議を醸すことも少なくない。そこで、プレミアリーグが導入を急いでいるのが、ボールがゴールラインを割ったかどうかを判定する、「ホーク・アイ(鷹の目)」システムだ。

 テニス用に開発されたこのシステムは、ボールの「イン」と「アウト」を判定する装置として、すでに公式戦で導入されており、昨日終了したウィンブルドンでも活躍した。

 このシステムをサッカーの試合でも活用すべく、すでに改良に着手している開発者のポール・ホーキンス氏は、『BBC』の取材に対して、プレミアリーグにおける早期導入に自信をみせた。

「我々は、プレミアリーグと契約を結び、システムの改良を進めています。このシステムは、純粋にレフェリーの判定に使用されるもので、テレビ中継用ではありません。システム開発が終われば、まずプレミアリーグの判断を仰ぎますが、導入について最終的な結論を下すのはFIFAになります。そこまでのハードルを越えることができれば、実際に試合で使用し、検証を重ねます。最終的には、プレミアの全スタジアムで導入されることになるでしょう。今はシステムのテスト段階ですね。テニスの場合では、最初のテストから導入まで、2年程度でした。サッカーの場合でも同じくらいのスパンを考えています」

 テニスに限らず、クリケットなどでも活用されている「ホーク・アイ」システム。昨年3月には、新技術開発を訴えるプレミアリーグに対し、国際サッカー評議会(IFAB)は、「ゴールライン上の判定のみで使用」、「100%の精度」、「瞬時の判定」、「使用をレフェリーに限る」などの条件のもと、開発を了承している。時には判定に不満を持つ選手や監督がレフェリーに対し激高するシーンも見受けられる「ゴールライン上」の判定。新システムの導入が決まれば、シーズンを通じた退場者の数も、若干ながら減るかもしれない?