この夏の移籍マーケットでこれまで目立った動きを見せていなかったレアル・マドリーが、いよいよ本腰を入れて動き出しそうだ。レアル・マドリーは来週にもセスク・ファブレガスとホセ・アントニオ・レジェスの獲得についてアーセナルと交渉を始める予定で、レアル・マドリーの使者がアーセナルのアーセン・ベンゲル監督と話し合いを行うためにロンドンに赴く。

 この交渉でのレアル・マドリーの第一の目的はレジェスの移籍金についてだが、その際にセスク獲得への関心をアーセナル側に伝えるつもりでいる。レアル・マドリーはレジェスに1000万ユーロ(約16億8000万円)、セスクに2500万ユーロ(約42億円)の移籍金を用意。二人合わせて、3500万ユーロ(約58億8100万円)から4500万ユーロ(約75億6100万円)で決着がつくことを目論んでいるが、レアル・マドリーはベンゲル監督が気に入っている選手をこの交渉で求めてくることも念頭に入れている。ベンゲル監督が望む選手とはロビーニョだ。ベンゲル監督はロビーニョの才能、プレースタイルにいたく惚れ込んでおり、チームの大黒柱ティエリ・アンリを失った今、ロビーニョのような選手がチームに必要であると考えており、レアル・マドリーがロビーニョをこの交渉に提示してきた場合のみ、セスクについての話を聞く構えのようだ。つまり、セスクとロビーニョのトレードを考えているということだろう。

 レアル・マドリーにとってレジェスとセスクの獲得交渉にロビーニョを入れることは回避したいことでもある。レアル・マドリーの後任監督候補筆頭のベルント・シュスター監督もロビーニョを放出しないようクラブ側に要請している。しかし、交渉がスムーズにいかず、何らかの策を講じる必要がでてくる可能性もある。ロビーニョかセスクを両天秤にかけた場合、中盤の補強の必要性に迫られているレアル・マドリーがロビーニョを手放すという案を飲むことも十分に考えられる。

 セスク、ロビーニョを巡るレアル・マドリーとアーセナルの駆け引きはこれから始まるというところだが、今後の動きに大きな注目が集まるトレード話となりそうだ。

(スペイン通信)