英国の各種メディアは、アルゼンチン代表FWカルロス・テベスのマンチェスター・ユナイテッド移籍が間近であると報じている。マンUは数週間前からテベスの保有権を持つと主張するメディア・スポーツ・インベストメント(MSI)社のキア・ジョオラビキアン氏との交渉を進めており、すでに2500万ポンド(約61億円)の移籍金で合意に達していると言われている。

 現在、アルゼンチン代表の一員として、ベネズエラで開催中のコパ・アメリカに参戦中のテベスは、マンU移籍について前向きなコメントを発表している。

「僕にとって、マンチェスター・ユナイテッドは理想的な移籍先だ。アレックス・ファーガソン監督の下でプレーできれば、本当に素晴らしい経験になると思う。僕の夢は、プレミアリーグを象徴するような存在になること。それが今なら叶いそうなんだ。僕はチャレンジを糧に成長するタイプの選手だ。ウェストハムではすでにある程度の結果を残せたと思う。もう次のステージに移る準備は出来ている」

 もはやマンU移籍が確実とも取れるコメントを残したテベスの去就だが、その移籍には思わぬ横槍が入る可能性も伝えられている。昨夏のテベス獲得の際に、ジョオラビキアン氏の移籍交渉に対する関与が、クラブ間の移籍に第三者の介入を禁ずるプレミアリーグの規則に抵触したとして、今年の4月に550万ポンド(約14億円)の罰金が課されたウェストハム。その際プレミアリーグは、保有権の所在をウェストハム側に移すことを条件にテベスの在籍を認めており、今回の移籍に関しても、リーグ側は「テベスの移籍に関しては、いかなる場合でもウェストハムの主導で行なわれなければならない」との見識を示し、これに違反した場合は移籍を認めない可能性も示唆している。

 それでも、ウェストハム側は移籍金の値下げも含めて、正規ルートでのテベス移籍に応じる構えを見せ始めており、近日中にマンU移籍が発表される可能性もあるようだ。週給9万ポンド(約2200万円)の条件をオファーすると見られているマンU。いまだハードルの多いアルゼンチン代表FWの獲得だが、ウェイン・ルーニーとテベスのプレミア最強2トップの誕生はもはや秒読み段階に入っているといえそうだ。